幸せの共有

私が小学校の頃、「ジョリーと僕とで半分こ」の名犬ジョリーのアニメーションが大好きでした。
なんでも美味しいも辛いもしんどいも楽しいも全部半分こ。辛い事は二分の一になり、楽しい、美味しいは2倍に感じるものです。
持論ですが、子育ての時に「ありがとう」「ごめんなさい」「いただきます」「ごちそうさま」が素直に言える子にと、よく言いますが、是非そこに「美味しい!」と満面の笑みで言えるというのも付け加えて欲しい。私の人生経験の中で「美味しい〜!」と思いっきり表現出来る人は幸せな方が多いなと思います。
「美味しい〜!」と言える人には何故か美味しい物が集まって来ますし、何より料理上手な人を増やします。私も主婦ですから家族に料理を作りますが、「美味しい美味しい」と言われたら疲れも吹き飛ぶし、もっと頑張ろうと単純に思えるのです。我が子を幸せな子供に育てる為に是非「美味しい!」をプラスして欲しいです!
もう一つ、結婚する時の誓いの言葉にも、健やかなるときも、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも、富めるときも、貧しいときも、妻を愛し、敬い、慰め合い、共に助け合い、、、とありますが、
是非美味しい物を一緒に食し、分け合い、と付け加えて欲しい(笑)
それくらい食を分け合い、美味しいを共有する事は大切だと思っています。
「同じ釜の飯を喰う」この重要性を信じて、スマイルサークルではなるべくまかないは一緒のメニューを食べるようにしています。
長野県の山万味噌さんから面白いお話しを聞いた事があります。その昔長野県は製糸工場が沢山ありました。まかないの美味しい工場に良い人材が集まる事から、どの工場の社長夫人も一生懸命に味噌を作ったそうです。当時のまかないはお味噌汁とおにぎり。
だからこそお味噌が全てを決めるわけです。製糸工場は競うように美味しい味噌を作り、それが従業員の離職率低下にも繋がりました。時代は変わり、製糸工場は海外生産に取られ、縮小していきました。山万味噌さんはもともと製糸工場だったのです。周りがどんどん潰れて行きます。山万さんは最後まで残った工場の一つですが、いよいよ苦しくなった時、救ってくれたのは従業員の為に作っていた味噌でした。「あそこの味噌は美味しい」と評判だったまかないは、いつしか製糸工場から味噌屋に代わって行ったそうです。
この話を聞いて、きっとみんなで具沢山のお味噌汁とおにぎりを頬張りながら、「美味しいなー午後も頑張ろ!」「奥さん、今日も美味しかった、ありがとうございます!」って言葉が飛び交っていたんじゃないだろうか。だからその時代、製糸工場も繁盛し、最後まで生き残り、そして業態変更しても今も続いているんじゃないかと。
従業員を思う 愛 から産まれたお味噌が色んな幸せをもたらした様に思います。
これからも沢山の「美味しい」を共有出来る様に頑張りたいと思います。
[掲載日:2021年7月5日]