ローカルと共に利他で考える時代へ

新しい時代へと進んで行くことを肌で感じています。
今まで人が経験したことがない時代、地球の人口が増えすぎて、気候変動などを考慮して、予測していく未来で必要なことを埋めていく準備の期間だと感じています。
これからの食を取り巻く未来の環境は非常に厳しいと予測されています。
2016年から始まった国連SDGsが目標と掲げた17の課題をあと9年で近づけられることができるか。
自分の職業は肉を加工する専門職です。
主に日本国内の畜産物を使用しヨーロッパの伝統ある技術を用いて、ハムやソーセージ、テリーヌといったシャルキュトリーを製造し販売しています。
父も同じ食肉加工職人でしたので必然的に幼い頃からお肉と共に加工を手伝い、原料の元の農場や屠殺場へ子供の頃から父について回っていました。
今から約40年ほど前のそのころは小さな農家さんが沢山あり田んぼや畑をする傍らで家畜(主に豚)を飼っていました。
畜産専門農家と違いいろんな思い思いの考えで餌や飼い方をコントロールしながら、それぞれの精度を上げていく小さな農家のあり方が懐かしい。
そこには代々受け継いだ知識と環境づくりがあり、地域と寄り添いながら循環農業の仕組みができていた事を最近になってよく思い起こすことが増えてきました。
流通社会で地方は都市部への食料供給地になり大規模な工場的生産が増えて、循環どころではないただただ出荷をするという仕組みのあり方が普通になっています。
小規模農家さんが離農して行き、より特徴的な家畜自体もどんどん少なくなってきました。
ただ、このコロナ時代になり地方への見方、考え方がより見直すきっかけができ、ローカルでの地域社会で循環が少し動き出したような気がします。
長野県 軽井沢にあるホテル『旧軽井沢ホテル KIKYO キュリオコレクションbyヒルトン』昨年からこちらのレストラン「a table」メニュー監修しています。
そちらでの取り組みとして、地域内自給率を上げて地域のホテルのような集客力があり、事業規模の大きい施設が、産地の第一次産業を全面的に支援しメニュー提供超えた関係性を深めることが重要な取り組みだと考えました。
ホテルが地域の援農を担い地域内循環のハブになることで経済も動き出し先にいろんな可能性が見いだせていければと。
都市部の経済的発展を地方にではなく、地方にあるカタチを支援して強化できる仕組みができれば、輸入食料への依存率も少しずつ変わっていくのだろうと少しずつ動いています。
これからの食べるを考えるに対して、経済性重視で美味しい安全だけじゃなく人の繋がりの枠を越えた協力が、未来を思い描く取り組みを進めていけば、新しい時代に笑顔が増えていると想像しています。
[掲載日:2021年9月1日]