ビストロ会(びすとろかい)

08年8月に活動をスタートさせた「ビストロ会」。発足のきっかけは、東心斎橋にあるビストロ「bistro a vin DAIGAKU」にて、料理人たちが集まり、「本場フランスのビストロ」について語り合っていたことが始まりだった。
その時のエピソードを、オーナーソムリエの関本大学さんはこう話す。「大阪にもいいビストロはたくさんあります。ただ、日本のビストロ文化といえば、大皿を皆で取り分けて楽しむスタイルだったり、レストラン未満のお店はすべてひっくるめてビストロと称していたり・・・。本場のビストロとのギャップに皆、どことなく違和感を持っていたんです。一方フランスには、現地のビストロにしかない料理やサービス、独特の快活な空気感があります。だから、『本場フランスのビストロとは何なのか?』ということを通して、本来のビストロの良さをいろんなお客さんに知ってもらいたい。そして、現地で修業を積んだ料理人やブーランジェ、毎年フランスへ出向くメンバー自身も、あらためてフランスのビストロ文化について勉強したいと思ったのです」。
活動は、毎回テーマをもたせたお客さんを交えての食事会が中心だ。それは、アルザスや南仏など、地方料理に焦点を絞った会もあれば、フランスのビストロ文化には欠かせない「シャルキュトリー」をテーマに料理を構成した食事会もある。
2010年4月に開催された第7回目では、「イル・ド・フランス(パリとその周辺地域)」の食文化をフューチャー。そこで供された料理の一部を紹介しよう。例えば、「アラン(ニシン)のオイル漬け」。ニシンは、塩をしっかりと打ちスモークをかけ、ミルクで臭みを抜いた後、マリネにするそう。日本ではまず、食すことがないであろう、しっかりと塩気と燻香を利かせたパンチのある味わいだ。また、イタリアのニョッキとは全く異なる「ニョッキ・パリジャン」。ジャガイモとシューで作った生地の上に、ベシャメルソースやグリュイエールチーズが絡む、パリならではのエスプリを感じさせる一皿も。とにかく毎回、一皿ごとのボリュームもアレンジなしの味付けも、現地のビストロ仕様なのだ。「会を重ねるうちに、本場のビストロの空気感とは、フランスの食文化とはこういうものなのだ、ということを、ひとりでも多くのお客さんに知っていただけたら」と、関本さん。また、メンバーにとってもメリットは大きい。なぜなら、ブーランジェ、シャルキュトリー職人、そしてソムリエにシェフ・・・と、その道のスペシャリストが同じ視点を持ち交流することで、互いに学び合い、高め合うことができるからだ。本場のビストロならではのエスプリを、大阪から発信し続ける会へと、発展し続けている。




「le nœud papillon」のオーナー・関本氏。

◆bistro a vin DAIGAKU(大阪・心斎橋)、
le nœud papillon(大阪・堺筋本町)
関本大学氏、他谷憲司氏、川田祐樹氏
◆Le sucré cœur(大阪・岸部)
岩永 歩 氏
◆Metzgerei Kusuda(兵庫・六甲道/芦屋)
楠田裕彦氏
◆和歌山フレンチレストラン
T氏
◆L’ambroise氏
目指せ本場のビストロ会 パリ祭2010
7月14日はフランスの革命記念日。日本では「パリ祭」と呼ばれています。2010年も「パリ祭 le noeud papillon」の開催が決定。 今年はなんと「目指せ本場のビストロ会」のメンバーとともに開催。「Fête(お祭り)」ならではの各シェフご自慢のビストロ料理ともに皆様との交流を図れたらと思っております。ぜひお誘い合わせの上多数のご参加お待ちしております。
【日時】2010年7月12日(月) 17:00~22:00閉店
(ご都合のよいお時間にお越しください)
【場所】le noeud papillon(ル・ヌー・パピヨン)
大阪市中央区安土町1-5-7 TEL:06-6262-0123
【会費】7000円(税込・お食事、ドリンク代込)
立食ビュッフェ形式となります。
【主催】le nœud papillon/bistro a vin DAIGAKU
【共催】和歌山フレンチレストラン T氏、Le sucré cœur 岩永氏、Metzgerei Kusuda楠田氏、L’ambroise氏
発足 | 2008年 |
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[ 掲載日:2010年6月30日 ]