イタリアワインの魅力を伝えたい。ソムリエほか伊の飲食関係者が集結。

イタリアワイン普及協会

こちらは、会発足後、ワイン会・第1回目の様子。テーマは、¥2001~¥2999までのイタリア土着品種「ドルチェット」。

イタリアには、その土地に根付いた伝統的なブドウ品種「土着品種」が非常に多い。他のワイン産出国と比較をしても品種は群を抜き、その数2000種越えとも。「イタリアワインの魅力って、そんな土着品種の多さもそう。そして、単一品種のワインもあれば、他国の品種と組み合わせたものもあるので、味わいの魅力は尽きません。そしてボトルひとつひとつに、陽気なイタリア人の生産者の楽しさ、生き様が詰まっているんです」とは、「イタリアワイン普及協会」の代表・森 勝寛さん(カンティネッタ・バルベーラ)。

当会が発足したのは2006年。「その頃に、食はイタリアンが人気なのに、ワインはフランス産が主流、というイメージが強かった」と森さんは話す。「イタリア料理は慣れ親しんだものなのに、なぜイタリアワイン、しいて言えばイタリアの土着品種の認知は弱いんだろう。それなら飲食関係者を交えて、イタリアワインをもっと普及させる活動をしたい、と思ったのが発足のきっかけでしたね」。それと同時に、「料理店のソムリエやサービススタッフのレベルの底上げも担いたい」というコンセプトのものと、「イタリアワイン普及協会」の活動がスタートしたのだ。

現在、以下の2つを軸に活動を行っている。まずは、毎回テーマをもたせた「ワイン会」だ。例えば、「¥2001~¥2999までのドルチェット100%(ピエモンテ)」のボトルを持ち寄る、というワイン会。基本的にはブラインドテイスティング。評価をメンバーで行い、このワインにはどのような料理が最適なのか、まで話し合うのだという。「メンバーは30代前半~40代前半が中心です。若手メンバーはこんなワインをセレクトしたのか!っていう発見があるから楽しいですし、勉強になるんですよ」と森さん。ワイン会のテーマとして挙がるボトルは、飲食店で出せる範囲の価格帯が中心。そうすることで、各自が現場(店)に落とし込みやすい。だから、食べ手にとっては無理のない範囲で、その魅力を知ることができる。

珍しいところでは、「1本のワイン」がテーマの会。参加者全員が、同じワインを2本持参する。しかし、購入するワインショップも違えば、メンバーが仕入れた日も異なる。そこに、どのような味わいの違いが生じるか、その差を検証するのだという。そして翌月、再びメンバーが集まり、セラーに入れておいた残りの1本を試飲する。1ヶ月寝かせると、味わいの広がりにまた差が表れるという。

このほか、国内のワイナリー探訪も、活動のひとつ。京都・船井郡にある「丹波ワイン」では、イタリアの土着品種「サンジョベーゼ」や「バルベーラ」を栽培しているという。「年に4回ほど、ブドウの収穫や選定に行くんです。ときには、メンバーだけでなく、お店のお客さんたちも巻き込み、40~50人で出向くことも」。

今後の展開は?との問いに、森さんは「イタリアンの飲食店やワインバーを募り、年に1回、イタリアワインを知ってもらう日を作りたいんです」。その名も、関西+イタリアの『カンサイタリー』。イタリア全20州のワインを計60種類セレクトし、各店でどこかの州のワインを複数提供。そして、ワインに合わせた料理も提供するイベントを、検討中だという。

ワイン会はいつも、ブラインドテイスティングが基本。点数とコメントでそれぞれのワインを評価し、当会のサイトにて紹介する。
「イタリアワインと料理の祭典『カンサイタリー』を、楽しみにしていてください」と、代表の森 勝寛さん。
丹波ワインで実験的に栽培した「サンジョベーゼ」を瓶詰めに。醸造本数に限りのある稀少品。
イタリアワイン普及協会
発足 2006年3月
web http://ameblo.jp/italia-baka/

[ 掲載日:2010年10月28日 ]