京都洋食会

「京都洋食会」が発足したのは1955年(昭和30年)。会員同士の親睦と、洋食業界の発展を図ることを目的とし、京都・滋賀エリアのレストラン、そしてホテルのオーナーが集いはじめた。発足には、伊谷 周氏(萬養軒)、上島 太氏(スエヒロ)、富田二郎氏(ジャワ)らが名を連ね、調理技術の向上や、若手料理人の育成ほか、その活動は多岐にわたった。発足同時、そのような料理人の集まりは稀だったという。
「京都には、老舗といえるレストランが多く存在し、なかには創業50年、さらには100年を超える洋食店もあるんですよ」とは、現会長の福村賢一氏(リストランテ ストラーダ)。「京都の洋食業界が、伝統と格式を持ち続けるためには、商いをする人間が、常にレベルアップすることを念頭におかなければならない。そして次の世代にも伝えなければ」と福村さんは話す。
現在、3つの活動を中心としている。ひとつは、年1回開かれる、「研修会」だ。毎年、地方の食を目的とした研修旅行を行う。2009年に実施した研修会では、当会の会員でもある京都・美山「オーベルジュ ド ナカザワ」へ訪れた。美山の地素材を駆使したフレンチを味わい、感想を述べ合い、共有する。福村さん曰く、「京都洋食会は、親睦・友愛・発展がテーマです。競い合いを目的にするというよりかは、メンバー同士が仲良く、そこから生まれる物事を大切にしていきたいですね」。
そんな親睦と友愛が、さらなる会の発展へと繋がるー。2つ目の活動である「セミナー」が、その主たる例かもしれない。「セミナーは、京都洋食会 “次の会”のメンバーが中心となり、数ヶ月に1度開催しています」と福本さん。“次の会”とは、「京都洋食会」オーナー連中の、次世代を担うであろう若手の集まりとして発足した会だ。メンバーはレストランの2代目、3代目など、30~40代が中心となっている。調理講習会をはじめ、ときには、老舗レストランのオーナーが壇上に立ち、「京都の洋食のむかし」といった、歴史的背景の講演などもおこなう。そのほか、創業130年をこえる食器店の代表を招き、テーブルウェアの重要性について語っていただくなど、料理人の身近に存在する事柄を、あらためて深堀するのだという。3つめの活動は、京都高島屋で、毎年2月に開催される「京の味ごちそう展」への参加。当会メンバーのレストランによる料理展示をはじめ、トークイベントやなどを行うという。今年は2月23日~3月1日に開催予定だ。


発足 | 1955年 |
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会員 | 京都・滋賀エリアのレストラン、ホテルの経営者、賛助会員を中心に約50社。 |
web | http://www.kyoto-yoshokukai.com/ |
[ 掲載日:2011年2月4日 ]