若手が街を盛り上げる、北新地で働く飲食関係者の集い

北新地社交料飲協会 青年部

2010年9月には、奈良・薬師寺を訪問。ちなみに、「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」で振る舞われる「堂島お薬師さんの水」は、奈良薬師寺金堂に湧き出る井戸水を薬師如来の御宝前に供えた「お香水(おこうずい)」と、大阪の「堂島薬師堂の上水」をあわせたもの。そのルーツを辿る地方研修となった。

昭和37年に設立された「北新地社交料飲協会」。当会は、大阪府社交飲食業生活衛生協同組合に属する一支部であり、その中でも最大の団体だ。大阪キタの風物詩になっている、「堂島薬師堂節分お水汲み祭り(毎年2月3日開催)」をはじめ、北新地を中心とした地域活動は、多岐にわたる。

そして、その「北新地社交料飲協会」には若手による集いが存在する。北新地で働く50歳以下の、飲食店オーナーや従業員を対象にした、「北新地社交料飲協会 青年部」だ。「社交料飲協会は全国各地にありますが、“青年部”という組織を設けているのは北新地が唯一」とは、広報部長の織田高央さん(「バー織田」店主)。発足は2006年。当初は34名でスタートしたが、現在、会員数は70名を越える。「北新地をこよなく愛する、熱い想いを持つ若手ばかりなんです」。

活動のひとつに、「北新地社交料飲協会」本体のサポートが挙げられる。年明けの「えびす詣 招福行列」や、2月「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」、そして11月開催の「ようこそ!北新地へ!パーティ」など、年に7回のイベント運営・進行などを、青年部が担うのだ。

このほか、地域のボランティア活動にも貢献する。「サイクルサポーター」という名のもと、青年部のメンバーが月に1度集まり、放置自転車や迷惑駐輪を整理したり、ゴミ拾い等をおこなう。また、春と秋の交通安全週間には、北新地本通りをパレード。織田さん曰く、「北新地が、安全・安心、かつ美しい街であり続けるためには、この街で働く若手が勇んで出ていかなければ。これからもボランティア活動には、積極的に取り組んでいきたいですね」。

年間行事やボランティア活動以外に、青年部独自の交流も多い。年に1度おこなう地方研修では、国内の焼酎・酒蔵巡りや、ウイスキーの蒸留所などを訪問。また、夏と秋には近場の遠足も実施する。ある時は、「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」にちなみ、本山である奈良・薬師寺を訪ね、薬師寺金堂のお香水(こうずい)を実際に汲んだことも。近場・遠方に関わらず、常に多くのメンバーが集い、交流を深めるのだ。
「ひとつのイベントが終われば、その達成感は素晴らしいもの。打ち上げなどでは皆が底なしに飲む、じつに楽しい会とも言えますね」と、織田さん。北新地で働く若手同士の交流が、店それぞれの繋がりを深め、しいては北新地という街が活性化する。そのような会へと発展し続けている。

サイクルサポーターの様子。緊急車両や通行人が、安心・安全に通行できるよう、毎月実施している。
2011年2月3日に実施した「堂島薬師堂節分お水汲み祭り」。お水汲みや、振る舞い酒などを、青年部が担当。
「ようこそ!北新地へ!」パーティで選ばれた、北新地クイーン・北新地準クイーンの皆さん。大いに賑わうイベントのひとつだ。
大阪市北区の堂島川にかかる歩行者専用橋「中之島ガーデンブリッジ」で行われる、毎年恒例の「橋洗い」にも参加する(9月)。
夏の遠足は、淡路島へ。このような、店と店の垣根を超えた交流が、当会の原動力だ。
広報部長の織田さん。「同じベクトルを持つ仲間が多ければ多いほど、この街で働く意欲が湧きます。いろんな活動をおこなうことによって、お客様にも喜んでいただけたら」と話す。
北新地社交料飲協会 青年部
発足 2006年
会員 北新地で働いている、熱意のある、50歳以下の方。
協会会員の推薦または、北新地内の不動産業者からの紹介が必要。

[ 掲載日:2011年3月1日 ]