大阪の割烹や料亭などの日本料理店が一丸となり「大阪料理」を研鑽する

大阪料理会(おおさかりょうりかい)

大阪料理会のホームページ。毎月開催している勉強会では、担当料理人によるデモンストレーションの後、参加者全員で試食。会長の上野氏、辻調理師専門学校の日本料理主任教授・畑 耕一郎先生による解説の後、全員で意見交換がおこなわれる。

2011年1月に発足した「大阪料理会」。
当会発足の2年前、「大阪料理とは何か」といったことを勉強する、割烹店の主らによる集まり「大阪料理研究会」が結成された。この会がきっかけとなり、大阪で料亭を営む店主による団体「大阪芽生会」と協同体制をとり、立ち上がったのが「大阪料理会」だ。

「日本料理とは、ひと言で括れないものがあると思うんです。地域それぞれに特有の季節があり、食文化がある。大阪という地の利を生かし、地場の食材を料理(割烹)するスタイルを築き上げたのがこの地域であり、育まれてきたのが大阪料理なのです」とは、事務局の笹井良隆さん。また、「浪速の喰い味」といわれるように、大阪の日本料理には、素材本来が持つ味を生かしながらも、さらに奥行きのある味わいを見出す概念も。その「大阪料理」を研鑽しようと、大阪の割烹店や料亭などの日本料理店が手を取り合ったのである。現在、メンバーは会長の上野修三氏(大阪料理研究家)、副会長に湯木潤治氏(大阪芽生会会長・高麗橋吉兆 代表取締役)、相談役には畑耕一氏(大阪あべの辻調理師専門学校)をはじめ、約50名。

活動は月1回の勉強会が主となっている。会場となる一心寺研修会館では、時季に応じた食材をテーマとして与えられた数名の料理人が、食材の可能性を追求する意味における料理を提案。担当料理人は、その場で調理とプレゼンテーションをおこない、参加メンバーが試食。皆それぞれに、質問や感想を返すというスタイルだ。
「この勉強会は、旨い料理を作ることが大切なのではなく、食材の知られざる可能性を見出すことが目的」と笹井さん。例えば、「蕗の薹」がテーマの際、「『千里山 柏屋』の松尾さんは、蕗の薹の香りを油に移し、その春らしい香りをさまざまな料理に汎用されていて見事でした。また、「チャリコ(小鯛)」の勉強会では、『懐石料理 雲鶴』の島村さんが、頭から骨までも食べられるという油煮の調理法をスチコンで披露。とても現代的で、始末もよく、また美味でした」。
この勉強会が発端となり、各自の店にその発想をフィードバックできたり、さらには会員同士の交流も活発におこなわれているという。
基本的には会員限定の勉強会だが、5回続けて欠席をすると当会会員から除名というペナルティもあるようだ。しかし、大阪で日本料理に従事する者同士の交流がもてるだけあり、会員層は30代後半から70代までと、じつに幅広い。「大阪で日本料理店を営んでおられる方や、日本料理に従事されている方、もしご興味がおありでしたらお気軽に問い合わせください」と、笹井さんは話してくれた。

大阪料理会
発足 2011年1月
web http://www.amakaratecho.jp/osaka-food/index.html

[ 掲載日:2012年9月24日 ]