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![『WORLD EDITION「フロンティア・サミット」』Program 2:料理デモンストレーション&試食[かぶらの風呂吹き、柚子味噌かけ]](https://food-culture.g.kuroco-img.app/v=1774927226/files/topics/456_ext_2_0.jpg)
『WORLD EDITION「フロンティア・サミット」』Program 2:料理デモンストレーション&試食[かぶらの風呂吹き、柚子味噌かけ]
Program 2:料理デモンストレーション&試食[かぶらの風呂吹き、柚子味噌かけ]
講師紹介
料理の国籍を示すのは香りである。しかし、香りは後付けだから、うま味を中心に構成すれば世界のどのような食材(とくに発酵調味料)を使っても日本料理の真髄は示すことができるはず。昆布をドライトマト、鰹をドライモリーユ(アミガサ茸)で代用したNEW和だし。豆のメイラード反応をガストリックやバナナ、鶏、蜂蜜などで代用させたバナナ味噌。まさに世界が驚く村田流日本料理の実証でした。
日本料理を世界に広めるというのはどういうことなのかを考えています。醤油と昆布と鰹と味噌がないと日本料理にならないのか。それでは、いろんな国の料理と文化的に融合して、次の新しい料理ができへんやろ。では、どうすればいいかかという話です。日本料理の中心的な柱の部分は何かですが、それさえ外さなかったら、どこの国にいっても日本料理はつくられる。その中心は何か。うま味なんですね。それで、日本の昔からの発酵調味料を世界のどこでも瞬時につくれるようにすれば、日本料理も世界に広がる料理になりえるだろうと。そうして、日本の調味料のええとこだけを引き出すことができへんか、ということから今日の料理をつくってみます。
まず、ドライトマトです。できるだけ新鮮なドライトマトを使います。これは昆布と同じグルタミン酸のうま味成分がある。野菜はたいてい、グルタミン酸がありますが、これを目方で10分の1にしていますから、昆布のちょっと下くらいのグルタミン酸です。乾燥したキノコ類にはグアニール酸がある。たくさんとれるのが椎茸です。椎茸の次は編笠茸、フランス語ではモリーユ、英語ではモレル。日本では結構高いです。椎茸の方が安い。ヨーロッパではモリーユの方が安い。それと水の中に入れて一晩。ここへ、皮を引いて脂分を全部とった鶏。ささ身があればささ身でもいい。イノシン酸ですね、ここに入れます。そうしてダシをとっています。グルタミン酸、グアニール酸、イノシン酸でダシを引いていますから、普通の鰹と昆布のダシよりうま味成分は多いかもしれません。野菜の皮、へたとか捨てないで乾燥させると昆布に代わるグルタミン酸は容易にとれます。あとは相乗効果で、火にかけて、一旦60~70℃の時点でおく方がダシは出ると思います。そのあと、沸かすと上にタンパク質と多少の脂が浮き上がります。どこの国にも鶏はあります。グルタミン酸は野菜類を何とかすればある。例えば、切り干し大根はたくさんグルタミン酸があるので切り干し大根と鶏からダシはとれますが、香りは中華的になるかもしれない。乾燥キノコはいろんなのが国なりにあります。ペルーではコルコという真っ黒のジャングルでとれるキノコが乾燥でありましたので、それを使ってダシを引きました。これでダシができるわけです。普通のダシよりちょっと濃いです。これに塩だけ入れて蕪を炊き上げたもの。これだけで十分濃いですから、敷き昆布も追い炊きもしていません。昔、京料理屋の場合は、蕪は米の磨ぎ汁で下茹でする。敷き昆布してから水で湯がくとか。今、うちは全然しません。直炊きの方がそのものの味がしっかりでる。
次は、味噌です。カソナードに今入れたのは酢。これでガストリックをつくります。相当濃いですが、200℃くらいの加熱。酸味も残ってカラメルもちょっとありというガストリックです。日本には苦い調味料はないんですね。それでフランスの調味料、酢と砂糖をキャラメル状にして、それを焦がしていく。ガストリックをつくっている間に味噌をつくります。バナナの中に鶏肉とハチミチを入れます。味噌は大豆がメイラード反応を起こしたものだと考えると、タンパク質と油さえあれば味噌はできるので、それを時間の経過によって味噌をつくるのではなく、熱によってメイラード反応を起こして味噌をつくるわけです。ガストリックもだいぶ茶色になってきて、酢を沸かして反応を止めます。バナナとハチミツと鶏肉が混ざった気持ち悪いやつ。醤油も同じようにしてつくれますけど、醤油よりも味噌の方が時間かかります。バニラちょうだい。これで出てこない香りがバニリン。バニラ臭が出てこないので、バニラ入れないとしょうがない。バニラが入ってずっとやっていると、だんだん焦げてきます。焦げて茶色になってきます。メイラード反応ですね。今、柚子味噌にしてみなさんのところにいっていると思います。柚子がたっぷり入っているので、苦みを感じるのは柚子の苦味ですね。



どこでも醤油がつくれて、どこでも味噌がつくれて、どこでもダシかつくれたら日本料理はつくれます。野菜も魚介類もそこの国の食材で、この調味料で調理すれば日本料理やと思うものになってしまいますわな。これは八丁味噌です。固すぎるんでダシを入れて溶かしてこの中に塩、塩分濃度は勝手に自由自在ですわな。足らないもんは苦味と酸味、バニラ臭もいる。ガストリックの弱い目のものを入れて。味噌の中に何が入っているか、何が足らんかは自分で考えないとしょうがない。中華の味噌は中華の味噌で、日本の味噌との違いは何かを考えれば、中華の香りをもっていければ中華の味噌になる。ベトナムの味噌もある。その味噌には日本とは違う香りがある。それに何を足したらいいかを考えれば向こうの味噌になる。どこの国の料理も発酵調味料もこれでつくれるという話になるわけで、そうすると、何系の、どこの料理をつくりたいとか、味噌といえば味噌ですが、チャツネといえばチャツネです。他のフルーツでもつくれるんです。リンゴでも、完全に八丁味噌になっている。柚子のペーストを入れると、この味噌に入れるガストリックの苦味と柚子の苦味は違うので、こういうふうに味噌ができあがります。それをここに入れて、温めて、そして蕪を炊いて、というようなことですけど。柚子がなければ他の国の柑橘でいい。柚子味噌でなくても、ミントの味噌とかバジルの味噌でやればチャツネになる。これは塩味や苦味はどのようにしようが、コントロールできるということはいろんなソースに使えるのではないか。日本のフレーバーが感じられるいろんなものに転用することができるのではないか、ということでございます。
