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「油脂」Program 2:料理デモンストレーション[日本料理]

「油脂」Program 2:料理デモンストレーション[日本料理]

Program 2:料理デモンストレーション[日本料理]

講師紹介

村田 吉弘(むらた よしひろ)氏
「菊乃井」3代目主人、
関西食文化研究会コアメンバー
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「焼き茄子マヨネーズと鰻の山葵オリーブオイルアイスのせ」

今回は、油をどうやって加えていくかを考えたいと思います。油の特性として、マヨネーズ、卵黄に油を少し入れていったら乳化してゲル状の固いものになる。それは油がないとできへんね。今日はそれを焼き茄子でやろうかと思っています。油のもう一つの特性としては、脱水させる働きがあります。油をかけることによって表面の水分量がとんで蒸発していく。鰻は皮が固いですから、カリカリとした食感を得ることができる。白焼きの鰻には、山葵を付けたい。ただ付けたんでは面白くないので、山葵をアイスクリームにしています。ただし、クリームとか乳製品でやると山葵の味がよくわかりません。いいオリーブオイルは冷蔵庫に入れたら濁るでしょう。オリーブオイルをアイスクリーマーに山葵と入れて、アイスクリームにします。

焼き茄子は最終的にはピューレ状になるのですが、これをそのまま皿の上に盛ると、じわっと茄子の汁が出てきます。しばらく経つと、べちょべちょになる。ここで塩です。十分ピューレ状になった時点で、太白油です。好きな油を入れはったらいいんです。何の油を使うか、だけですよね、料理の国籍が出てくるのは。イタリア料理の人はオリーブオイルを使うでしょうし。今、焼き茄子でやっていますけど、何でもピューレになるということです。

次に、鰻です。包丁でヌメリはよくとっているわけで、湯をかけているわけではありません。0.5%の塩をしています。塩ウナギやね。鰻を白焼きにする時には塩はふりませんが、僕は鰻は塩をかけた方がおいしくなると思っているんです。塩を付けることによって、塩が完全に回りきるとタンパク質が変性して細胞膜が潰れ、電子顕微鏡でみたら蒲鉾のような状態になってますわ。アミノ酸の含有量が3~5倍に増えている。より旨みがたくさん出ているということ。旨みを引き出すために0.5%。ちょっとのことです。皮目は、あまり焦がさんようにしてください。焦がすと黒い気泡ができますから、せっかく皮をおいしく食べてもらおうと思っているのに皮か焦げたようになるのはよくないので、弱火で炙っています。そうすると、身はだいたい火が通ったような状態になっています。塩をふっていますから、鰻特有のグニュッとした食感はありません。

アジの開きでも塩をしたものの方が硬いでしょう。塩焼きした方が、アジの身が硬くなっているように、鰻の身も硬くなっています。脱水しているということですね。この時に皮と身の間に串を打つと身が落ちます。身の方にたっぷりと串を打たないと鰻が焼けてきたら、バサッと落ちてますわ。ある程度、焼けましたら、ここに熱した油、太白油です。サラダオイルでもいいんですが、香りのないものの方がよいと思います。もういっぺん火にかけますとね、いらん油が切れます。油を使っても油っこいということもないんですね。油を使うから、その食材が持っている油分を油で流してしまうこともあるんですね。大体、これで皮がカリカリいうてるでしょ。あとはどれだけきれいに自分の思うように焼き目をつけたらいいかだけですわな。今日は配るまで時間がかかるので皮を上にて盛ってますけども。皮を下にした方が料理としてはカッコはよろしい。

これは粉ワサビです。水で溶きます。本ワサビでやってみたのですが、ダメやったんです。粉ワサビは便利やなと思いました。山葵のアイスクリームは小さいカップに入っていますから、カップから出して上にのせて食べてください。のせている間に溶けてしまいますから。山葵のオリーブオイルもできましたけど、これをアイスクリーマーにかけますと濁ります。その時に、空気がたくさん入ってアイスクリームになります。今回はこういう形ですけど、山葵の荒叩きしたのをのせるとか、なんなりと考えてもらったらいいと思います。皮、パリッとしてますか? よかった。ワサビのアイスだけ食べても、そんなにおいしいものではないですけどね。アイスクリームは、かけても別々に食べても、好きにしていただいたらよいです。

「焼き茄子マヨネーズと鰻の山葵オリーブオイルアイスのせ」

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