- 定期

「昆布とQ&A」Program 1:基調講演:「昆布(こんぶ)の秘密」
Program 1:基調講演:「昆布(こんぶ)の秘密」
講師紹介

今日は昆布の話ということで、実際に試飲もしていただこうと、先程から昆布だしをとっております。
奥井海生堂の歴史から
最初に私の紹介をかねて弊社のことをお話させていただきます。
創業が明治4年でございます。敦賀は当時、松前貿易の港町で昆布が荷揚げされており、そこで昆布を扱ったことが弊社の始まりでございます。明治期になって永平寺に一括してお収めできるようになったことで少し商売が安定してきます。大正期から昭和期にかけては料理人の方々のお取引をいただけるようになり、いろいろご注文をいただいていたそうでございます。平成7年から私が4代目の社長としてやらせていただいおります。弊社は敦賀の港の方に本社工場を構え、4カ所の倉庫で昆布を管理しています。稚内に1カ所、函館に1カ所、敦賀に2カ所です。
昆布とうま味の歴史から
昆布は日本人の調味料、また、うま味を支える基礎的な食材でございます。
料亭の世界で培われてきた素材だと考えています。1000年以上の歴史のある食品であります。日本は島で海に囲まれて春夏秋冬の季節がございます。そういうことから乾物の宝庫なんです。昆布は2年、3年おいても、養分がほとんど変わらず、すばらしいもので、水に漬けた瞬間にうま味を味わえる、ほんとに優れた食材であることが研究でわかってきております。そういう意味でも1000年以上の歴史をもって日本の食文化にかわってこれた所以だといわれています。
幸いなことに、うま味発見100周年という催しが2年前にございました。いろんなうま味に関するシンポジウムがあり、昆布が見直されています。グルタミン酸というものが胃袋に入った時に、脳に一番最初に養分伝達されるということで、日本でも問題になっている高齢者の介護食、老人食に、このうま味が向いているのではないかという研究結果も出てきております。私どもそういうことを勉強する中で、もう一度、昆布というものを見直していきたいと考えております。
貴重な情報
最近、弊社で一つ発見がありました。
皆さん、ほぼ沸騰直前に昆布を上げていたと思うんですが、60度(の温度)が、だしが一番よく出るということが実験でわかりました。以来、京都の料亭様はすべてこれに切り替えたと聞いています。皆さん方も、今日から60度で、じっくりと出して、昆布を引き上げてから沸騰直前に鰹節を入れるなどというのが一番おいしく昆布(だし)をいただける方法だと思いますから、今日は、ぜひ、お伝えしたいと思います。
昆布の種類から
北海道の昆布は、産地によって4種類に分けられます。
利尻昆布、羅臼昆布、日高昆布、山出し昆布(道南の真昆布)。この4種類が日本の昆布の代表的なものです。まずは、それぞれの昆布だしを試飲してみてください。
利尻昆布の特徴は、はんなりとしたお料理にこれしかないといわれるもの。いかに少ない昆布で、いいうま味を出そうかと日夜苦心されています。羅臼昆布のお味は甘くておいしいんですが、だしが少し濁るんです、それがちょっと難点です。あわせだし、ソバ、うどんなどに使います。煮昆布にして、昆布そのものを味わうのがおいしいといわれる日高昆布。そして、大阪の料理屋さんなどで鰹節をメインにしたおだしに使われる山出し昆布。これが代表的な昆布でございます。
我が国でどういう昆布がいちばんいい昆布であるか。
昆布の浜格差の中で、一番いいものは何か。昆布は2年間育っていますから、その年の気象状況に関係します。ビンテージが実はあるんです。産地は利尻、礼文島でとれた利尻昆布。なかでも礼文島の香深浜、ここでとれた昆布が一番。弊社が25年間、独占させていただいているんですが、ここの昆布を一番大事にして、蔵に囲い続けております。
その他、本日は、昆布の文化とワインの文化の対比で農業の話から、また、昆布の一つの側面もご紹介し、最後に、昆布に関してのイベントも紹介させていただきました。こういう形で、昆布というものを見直していただきました。ご静聴、どうもありがとうございました。



