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![「ベジタブル講座」~各国・精進料理~Program 2:料理デモンストレーション[日本料理]](https://food-culture.g.kuroco-img.app/v=1774927649/files/topics/581_ext_2_0.jpg)
「ベジタブル講座」~各国・精進料理~Program 2:料理デモンストレーション[日本料理]
Program 2:料理デモンストレーション[日本料理]
講師紹介
「ボイルドエッグ」

日本料理に精進料理がありますが、昆布から出てくるグルタミン酸と椎茸から出てくるグアニール酸、これを相乗させるということですね。普通のだしは昆布から出てくるグルタミン酸とカツオから出てくるイノシン酸を相乗させているわけですが、カツオと昆布で8倍。グアニール酸とグルタミン酸が相乗しますと、16倍。これは非常に高い濃度のうま味を得るわけです。それで野菜を煮炊きしたり、豆腐とか揚げを炊いたりというのが日本の精進料理といわれるものです。
では、実習です。これは、豆乳とグラニュー糖です。豆乳にグラニュー糖を投入しています。これがバニラビーンズ。ニガリに水を少し入れて溶かしています。ニガリを入れる前に太白のごま油を少し入れた方が、コクが出ます。ニガリを詰めたまま入れます。冷たい豆乳にニガリを入れます。ニガリを入れたら濃度が出てきます。少ない目にしておかないと熱を加えないといけないので、ギリギリ一杯に入れるほうが卵らしいでしょう。ニガリは85度でタンパク質と反応して凝固します。卵の殻に卵に似せて入れます。卵黄は金柑です。
次、これが金時ニンジンのジュースですが、金時ニンジンの赤はリコピンなんです。金時ニンジンの汁。昆布が入ります。昆布をゆっくりめに火にかけておきます。するとニンジンのジュースの中のセルロースと絡み合って、赤い部分は上に浮き上がってきます。それを取りますと、ちょっと黄みがかったニンジンのジュースが出来上がります。それだけでニンジンの味がします。そのだしでニンジンを炊いたものが、卵の下の土台になっています。



蕪で蕪を炊く、大根で大根を炊くことはできるわけです。今まで湯がいてからカツオと昆布のだしで野菜を炊いていれば野菜の持ち味を生かすのが日本料理やといいながら、日本料理では野菜の持ち味を壊してしまうような料理法が多かったんです。100年前の野菜は今よりも個性が強かった。大根やったら米のとぎ汁で湯がいて水で晒してだしで煮含める。蕪やったら敷昆布をしてそのまま水から湯がいて、半分捨てて、そこにまた一番だしを入れて追いガツオをして炊くというのが、もともとのやり方です。けれど、それをやりますと、両方ともだしの立方体になる。おいしい野菜をお百姓さんから仕入れてるわけで、その野菜をどうやってお客さんにおいしいまま食べてもらうかというのは、日本料理の場合、料理の方法自体をもういっぺん考え直さないといかんなという時代に来ているのではないか。それによって今まで精進だしで普通の野菜を炊いて精進の炊き合わせを出すだけでは、もうお客さんが納得せえへん時代になっているやろなということですね。
上にアクが上がっていますでしょう。ほんまは昆布のだしが出て、こうなって、ぬめりが出てくる方がいいんですが、時間があれば昆布を入れてもらっておくと、ほんまに澄みきってしまいます。なんでそうなるか。京都大学の先生と一緒に研究していますが、ちゃんとわかれば、西洋のだしと違って、コンソメを澄みきらせるために、もっと簡単な方法が出てくるのではないかと思っています。
グラニュー糖をちょっと上からかけまして、これで、ゆで卵ができたわけです。アラン・パッサールの卵と違って「菊乃井」の卵。皆さんのところに出てきますけど、上はブリュレになったような豆腐、下はニンジンですから、両方食べてください。

