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「ベジタブル講座」~各国・精進料理~Program 2:料理デモンストレーション[フランス料理]

「ベジタブル講座」~各国・精進料理~Program 2:料理デモンストレーション[フランス料理]

Program 2:料理デモンストレーション[フランス料理]

講師紹介

山口 浩氏
「神戸北野ホテル」総支配人・総料理長
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「野菜のコンポジション」

フランス料理的には精進料理という考え方はありません。今回は動物性の素材を使ってはだめだということですので、どうすれば野菜をおいしく食べることができるかを考えました。

今回、キャベツはスイカみたいに切って、表面を焦がすような形に焼いて野菜のだし汁で炊きました。こうすることによってキャベツを湯がくよりもおいしくなると思います。西洋料理は調味料がないので、熱を使ったり、熟成させてコントロールしながらメイラード反応を起こして調味料を作っていく。今回は野菜の持っているうま味をフランス料理のテクニックで調味料化しました。キャベツでソテーすると甘味も増しますが、ここに苦みが焦げて出てきます。蕪もそうです。湯がくだけではなく焼き色を付けました。ニンジンも少し焼き色を付けてからジュードレギュームをしています。小玉ネギは湯がき、オリーブオイルで表面に焼き色を付けてバルサミコを入れてからデグラッセし、少し煮つめて表面に添えたという形です。大根もソテーすることによって、こういう味に仕上げています。ネギも天火で焼いただけです。海苔に山芋は、揚げるよりもオリーブオイルでちょっと焼きました。白菜はアルミホイルに入れてオーブンで蒸し焼きにします。発酵した食材が入ると味にちょっとリズム感が出てくるということで、漬物のスグキを刻んだものを中に入れています。

フランス料理は、簡単なのは水分を飛ばして味を凝縮して強める。それがいろんなテクニックの中に入っていると思うんですが、今日も凝縮してその中に味を溜めているんですが、この素材の中に溜めた味も少し取り出してソースに仕上げています。ベースになる野菜のジュースですが、玉ネギ、オリーブオイルを少量入れてキャベツ、ニンジン、セロリラブ、ポアロ、あとはニンニクとローリエとタイム、ニンニクは油でこぼしをして水を入れてお湯を捨てて水に入れて、5回くらいするんですが、下処理したものです。これをシュエして炒めていきます。塩の持っている脱水効果で水分を引き出し、だしをとる時に野菜を焦がさないようにします。全体的にしんなり炒ったかなという程度です。ここに水を加えてローリエとタイムとニンニクを入れて少し煮出します。沸いてから油とアクを取りながら炊いてもらって、野菜の時は45分くらいで味が出るのではないかと思います。

フランス料理ではシャンピニオンデュクセルといって、玉ネギを細かく刻んで甘味が出るまで炒めてマッシュルームを刻んだものを入れて水分をなくなるまで炒めたものですが、干し椎茸でやると、もっと味が出やすいし、調味料的に使うと便利なものになると思うんですね。フランスには椎茸はありませんからマッシュルームを使います。野菜のジュースの中にシャンピニオンデュクセルを入れて、シャンタナ、トウモロコシの粉を使います。水に溶かなくてよく、少し入れるだけで味見した味のままソースができるので便利な粉です。ほんの少し入れたら、すぐ混ぜてください。普通の粉に比べたら、だまにならないので、加熱していくと濃度が調整されて野菜のだし汁のソースができます。椎茸の戻し汁もだめ押しで入れます。もう少し薄かったらスープにもできるでしょうし、結構面白いので、ぜひ利用していただけたらなと思います。

今日は、押し寿司の型を使っています。キャベツを敷きます。ジャガイモの加熱の仕方は60度で40分火を入れました。椎茸とネギとスグキ。スグキは発酵性なのでハーモニーというか、リズムができるかなと思ったんです。ネギにも苦味成分があるので焼いて入れています。

真空パックで圧力をかけてテリーヌ仕立てにして圧力だけで野菜をつなげました。その時の茶色は野菜から出てきたジュースです。これは相当おいしいです。いろんなオイルを使いますが、ヘイゼルナッツのオイルが一番よく味がしっかりつきます。切りやすいようにラップしただけですが、フランス料理っぽくありませんか。今日は野菜を11種類使っています。外側の濃度が濃いのが乳化させたソースですので、それだけ飲んでいただくとしっかりした味で、ハシバミの木の実の香ばしい味がすると思います。

「野菜のコンポジション」

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