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アブナいのに、クセになる。「苦くて旨い」Program 2:料理プレゼンテーション [日本料理]

アブナいのに、クセになる。「苦くて旨い」Program 2:料理プレゼンテーション [日本料理]

Program 2:料理プレゼンテーション [日本料理]

講師紹介

村田 吉弘(むらた よしひろ)氏
「菊乃井」3代目主人、
関西食文化研究会コアメンバー
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「柚子豆腐 苦柚子味噌」

京料理には、苦いものが昔からいろいろあります。蕗の薹味噌、柚子味噌、山菜とか苦いですわな。香りがあって、苦いのは、よう使います。一つの料理に、香りを一つ以上入れる。昔は一つの料理に一つの香りやったんです。この頃は一つの料理にいろいろ香りを入れる。苦いもんと、テクスチュアと香りを入れていくと、結構、なんでも、それなりにおいしく食べられるようになるのがわかってきました。

今日は、まずは豆腐を作ります。豆乳だけあたためて、にがりを入れて85℃で蒸したら勝手に豆腐になりますわな。次は味噌。フランス料理に変わったものがありまして、砂糖と酢でガストリックしてメイラード反応を起こしたりすると、どこの国にいっても醤油とか味噌が作れるんです。醤油なかったら、味噌なかったら、だし引かんと料理できへんというと、日本料理は根の生えた料理になってしもうて、世界中どこにもいけない。(ガストリックしながら)これが菊乃井の苦味調味料です。別に、焦さんでも、これに入れたら焦げた味になるわけですから。反応をとめるのに醤油を入れるわけです。こんなのができたんです。煙が目にしみますけど。

料理屋は白味噌で味噌汁のどろっとしたもの、それを弱火で煮詰めたものを作ります。なんでそんなことをするかというと、豆臭み、麹臭さが、なくなります。こういう味噌を作って、そのまま冷蔵庫に入れておく。田楽を作る時にも、この味噌を使う。これに柚子のペーストを100g、炊き味噌300gに対して3分の1。柚子ペーストは柚子をすりおろします。苦味がしないと白いところも入れて裏ごししても、よろしい。生のまま作って、どろっとなっているものを練る時に、味醂と、うちは油を入れます。太白。油を入れたら、おいしいんです。油を入れたら日本料理はおいしくなるんです。

柚子味噌、あたためます。ここ、白味噌が八丁味噌に変わる瞬間。論理的には、そうなんです。八丁味噌は熟成によってメイラード反応が進んで、茶色になっているわけで、熱によってメイラード反応を起こして、ここに苦味も、渋みも出てきています。蒸しあげたら上から柚子をかける。うちは必ず柚子を刻んだりした上に、もういっぺんかけます。これで苦い柚子豆腐ができました。柚子が苦いのか、何が苦いのか。苦いのが、すっきりするんですね。手法としては油が入っている。ガストリックが入っている。科学的なことを学びますと、いろいろとテクニック的な応用がきいてくる。日本料理に足らんものを補うことで、よりおいしくなるのは確かです。

「柚子豆腐 苦柚子味噌」

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