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アブナいのに、クセになる。「苦くて旨い」Program 2:料理プレゼンテーション [フランス料理]

アブナいのに、クセになる。「苦くて旨い」Program 2:料理プレゼンテーション [フランス料理]

Program 2:料理プレゼンテーション [フランス料理]

講師紹介

山口 浩(やまぐち ひろし)氏
「神戸北野ホテル」総支配人・総料理長、
関西食文化研究会コアメンバー
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「牛頬肉のギネスビール煮込みフラマンドル風」

今日は苦味ということで、肉のフラマンドル風の煮込み、これが苦味をうま味に変えている料理と思いまして、今日は2種類、お味見していただきます。一つは国産のビール、もう一つはギネスの黒ビールで作ります。頬肉の持っている独特の香りもありますが、ビール煮込みした時に、それが個性になっておいしく感じます。メイラード反応のオンパレードですけど、フランス料理は調味料を使いません。すべての工程の中にメイラード反応を作っていくということです。温度と時間によって香りが変わってきますので、出来上がった中にはいろんな香りが含まれていると思います。

タマネギはみじん切りにしました。あまりにもオーソドックスなんですが、野菜を炒める時には最初に塩をします。塩の脱水効果で塩でも火を入れる、炒まりやすくなります。根気よく弱火でじっくり炒めていきます。肉は塩胡椒したものに表面に焼き色をつけます。120℃を越えると急激に進んで、ここでメイラード反応が起こっているんですね。うま味成分が、どんどん変わっていってます。結果的に肉を煮込む時に焦げてコクになっていく。焼き色をつけるというのはフライパンの中で調味料を作っているという考え方だと思います。

この黒ビール煮込みをする時に、普通のビールと、どんなふうに違うのかを川崎先生に調べてもらいました。

川崎 「黒ビールは麦芽を作る大麦とは別に、普通の大麦を深く煎って、焦がしているんですね。それを普通のビールに入れる。普通のビールはホップの苦味だけですが、黒ビールはそれプラス麦芽を煎った焦げが苦味になって、より複雑になっています」

今日はオーソドックスなものですけど、ビールを入れた時、半量まで煮詰めます。そこで凝縮してからフォン・ド・ヴォーを入れて、もう一度凝縮するという作業をしないといけない。肉は、ちゃんと炒めて焼き色をつけておかないといけない。一つひとつのテクニックの集合体が料理だと思いますし、完成度を逆算していくものだと思います。

煮込みますと、こういう状態になります。苦味もわかってもらいたいので、甘味のあるパスタがあうかなと思って付け合わせにして、煮込み2種類をお出しします。茶色のソースと白いパスタとパセリのみじん切り。こういうのを真剣にガッツリ食べたいなというときがありますが、こういう形で作らさせていただきました。

国産ビールの方が、煎ってないので苦味が少ない。出来上がりの時にマスタードを入れると、苦味とはまた違う刺激が入ってくると思います。今回はマスタードを入れていません。苦味を感じていただきたいと思いまして。

追加の試食:ホップは食べられることはないですね。今回はお茶用に乾燥させたものですが、自然食品の店で見つけたのを試食してもらいます。口の濯げるところで食べてください。ビールの原料と苦味がわかると思います。面白いので、ぜひ食べてみてください。

「牛頬肉のギネスビール煮込みフラマンドル風」

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