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![「蒸す」Program 2:料理デモンストレーション [イタリア料理]](https://food-culture.g.kuroco-img.app/v=1774927649/files/topics/613_ext_2_0.jpg)
「蒸す」Program 2:料理デモンストレーション [イタリア料理]
Program 2:料理デモンストレーション [イタリア料理]
講師紹介
関西食文化研究会コアメンバー
「スズキの紙巻き蒸し焼き」

この料理は、数年前からうちの店でやっているもので、ポイントは紙ですね。市販されているオーブンペーパーを使います。水蒸気は通すのですが、くっつかないシートを利用します。スズキは少し臭みがありますので、脱水シートで脱水して臭みを抜いています。重さに対して0.5%の塩。できあがり1%がおいしいと思うので、半分くらい下味程度に塩を回してます。さらに刻んだ昆布とパセリの軸とかセロリを入れます。いつもはオイルを使ってマリネするんです。その方が味が媒体として入っていきやすいのですが、今回はくっつけたいので、あえてオイルは使いません。
2つの身を、尻尾と頭を互い違いにあわせ、くっつけて巻いて、オイルで成形して冷蔵庫で締めました。スズキは臭みを抜くことが重要です。さらにつけたい香りを乗せることも重要です。若干、水分を使わないと味がつきにくいので昆布水を使います。僕は大阪の人間なので、昆布は真昆布を使います。1リットルの水に25gの昆布を一晩漬けた水でマリネにします。少しだけ水がないと味が全体に回りにくいのです。
そしてオーブンペーパーで巻きます。しつこく巻きます。なぜかというと、熱を直接ではなく、ゆっくり通していきたいからです。押さえて緩まないようにぐるぐる巻きにして縛ります。三重くらいに巻いています。そうすると、火がゆっくり入る。直接的に火が入らないことと、通気しながらも包んでいますから、蒸し状態になります。蒸していきますが、ちょっと悩ましいところで、表面に水分を乗せたくない。温度も若干高い温度で加熱も魚自体にやわらかい火入れをしたい。だから、蒸し器ではなくスチコンで加熱します。フライパンでゆっくり焼いていくことも可能です。スチコンの温度設定は160℃、湿度は30%。目安は15分くらいでできあがりです。



アンチョビバターは、少量の昆布水にアンチョビを入れて溶かしました。そこにバターを少し入れます。柚子の絞り汁も少々。アンチョビにバターを添えただけですが。これを冷しながらバターをポマード状に練ったものです。バターにアンチョビが入りにくいのでこういうことをします。それに生クリームを少し加えます。あわせることでふわっとしたバターになります。アンチョビの強いうま味とバターの油脂、蒸す料理なので、こういう溶かしたものがいいのかなと。バターをふわっとさせるためにこういう作業をします。
「蒸し」というのはメイラード反応を起こさない調理方法なので、それに味付けをしたい。強い醤油をかけたりすると蒸しの繊細さが失われる。アンチョビは乳酸発酵してますし、塩蔵によってメイラード反応が起こっていますから。
つけあわせの菜の花。しっかり乾いているので、ここに昆布水を少々。塩をひとつまみ。オリーブオイルを少々。蓋をすると、昆布水が沸騰して、中が蒸気の状態になって蒸し煮になる。昆布水はたくさん使いません。アスパラガスとか、野菜はそのもののもっている水分量くらいで食べるのが一つのおいしさかなと。アスパラガスをゆっくり焼いたら、水分は抜けて凝集します。味は濃くなるが、ジューシーさがない。アスパラガスのもっている水分そのもので食べさせるのもおいしさではないかなと。焦げないように気をつけて、昆布水はちょっとずつ足すだけでいい。蒸し状態をつくる。最終的には菜の花のもっている水分で調理する感じです。味付けは少量の塩で十分です。

