• 定期
甘さは、なぜ必要か。「甘くて、旨い」Program 2:料理デモンストレーション [イタリア料理]

甘さは、なぜ必要か。「甘くて、旨い」Program 2:料理デモンストレーション [イタリア料理]

Program 2:料理デモンストレーション [イタリア料理]

講師紹介

山根 大助(やまね だいすけ)氏
「ポンテベッキオ」オーナーシェフ、
関西食文化研究会コアメンバー
メニュー

「キタッラ麺 牡蠣エキスと干しぶどうのアラビアータソース」

イタリアンでは、甘いというより甘酸っぱい味が求められるそうです。そうした料理において、甘味は酸味を抑える役割になることを実証。メイラード反応によって凝縮された牡蠣、ふきのとうを効かせたアラビアータソース、それに干しぶどう。うま味、苦味、酸味、甘味が絶妙なパスタの一品です。

「甘くて、旨い」ということでパッと思いついたのは、牡蠣を使うことです。まず牡蠣。細かく切ってあります。オリーブオイルをたっぷり。蜂蜜を入れる。こういうふうに牡蠣を火にかけてオイルと蜂蜜を少し、水分を煮詰めていきます。ドンドン褐色に変質していきます。メイラード反応です。焦げないように。さっきの山口さんの話。この会、面白いですね。ヘテロやホモやと。それはものすごく共感するところで、料理は、全部均一は面白くない。茶碗蒸しの具が全然入ってないのをそのまま食べるとまずい。食感も同じやし、味も均一でおいしくない。野菜のピューレを作る時も、それだけだと、おいしく感じない。わざと混ぜたりします。テリーヌは、大量にオリーブオイルを入れます。火にかけてオリーブオイルを混ぜこんでいく。離乳食は子どもが苦いもの、渋いものは避ける。本能的に毒の可能性の高いものを避けるんですね。みたいな、子どもが好きなものは味がつまらなくなる。けれど、大人になると学習する。オリーブオイルでピューレとか、渋み、辛みもおいしいと感じる。ふきのとうも、そうですね。

今日はわりに簡単にできるので、どんどんやっていきます。塩が入っています。フライパンにオリーブオイルを入れて。つぶします。鷹の爪を入れます。これも時間短縮で仕上げに入ります。パスタを入れていきます。どんなにきれいに広げてみても最終的には関係ないんですね。83点の時も70点の時も気にしません。香りを出すために色付けないようにして茸を入れます。これは昆布を水に10時間つけたものを引き上げる。冷蔵庫に入れておきます。トマトのジャム、タマネギをソフリットして水分がない状態まで揚げてフレッシュトマトを炒めて塩をします。水分を抜いて。缶詰のトマトを入れて煮詰めたもの。ある程度、煮詰めてジャムにすると、後で使えます。トマトには酸味があります。トマトのソースは煮詰めると甘くなる。イタリアではトマトが酸っぱすぎる時には砂糖を入れます。僕らは入れませんが。ソフリットして甘味を加えて酸味とのバランスをとります。甘味があると酸味が弱く感じられます。今日は牡蠣のうま味と甘味を凝縮したもので、苦味を加えることで味を引き締める。甘ったるいだけのルーだと、おいしくないので。これ以上ずっと渇色になるまで、最低でも10~15分、しっかり褐変してきたら少し白ワインを入れます。ヒントは、オイスターソースのようなものを作れないかなと思ったことです。牡蠣をとにかく炒める。中途半端に炒めるとおいしくない。とことん、もういいかなと思っても、まださらに炒めるくらい。結果的にはメイラード反応を起こしているわけですね。ここに干しぶどう、金色の干しぶどうを戻したもの、甘さですね。酸味もあります。川崎先生から「干しチーズを入れたらいいんじゃないか」といわれました。どっちもおいしいです。牡蠣のつぶれたものとかソースにやや濃度があるので、もしかしたらチーズを入れると、もたつく恐れがあるということで、今回は干しぶどうを入れました。ヘテロでない、茶碗蒸しの具のないものはおしくないということですね。イタリア料理のパスタはヘテロ化の塊です。きれいに作るということを、あまりしないので、パスタでもロングパスタを口に入れて噛んで短くなったら、長かった時とは味が違う。重なっていて分厚い、やわらかいところと固いところを、わざと作る。つまり、ヘテロ感を出しているんです。

ソースに香りを入れます。最初はこの上に春菊をのせて、牡蠣と春菊であいそうな感じがしたんですけど、今回、ふきのとうがあったので苦味を重ねなくてもいいかなと。うま味がしっかり出るパスタです。最後に松の実をちょっと散らします。春菊の方がきれいかったかな。オリーブオイルをかけます。仕上げに白ワインをかけます。ワインで加熱を止める意味と、もう一つは酸を加えて味を引き締める。おいしいだけで酸がないとうま味も生きてこない。酸の要素が重要だと思います。甘いだけのトマトもおいしくない。酸味がないと。おいしいというのも酸が重要になる。イタリア的には甘いというのは昔からおいしさの表現とされていますが、甘酸っぱいという感じは甘酢のような感じで、イタリア料理における甘酸っぱさという。これで水分をなくして褐色にしたもの。これにトマトを混ぜると肉味噌みたいになりませんか? 他にも応用できます。

「キタッラ麺 牡蠣エキスと干しぶどうのアラビアータソース」

他にもこんな記事が読まれています