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![料理に使える「乳化の技」Program 2:料理デモンストレーション [中国料理]](https://food-culture.g.kuroco-img.app/v=1774927650/files/topics/640_ext_2_0.jpg)
料理に使える「乳化の技」Program 2:料理デモンストレーション [中国料理]
Program 2:料理デモンストレーション [中国料理]
講師紹介
「乳化麻婆豆腐」

そもそも麻婆豆腐は、豆腐を含め、乳化の組み合わせみたいな料理であることを実証。油に山椒や鷹の目、毛湯(マオタン)というだしを入れて加熱していくと表面が白濁して、すべてが混じりあった状態に。別の鍋に作っておく山椒と油を加熱して、最後に注ぐと、山椒の麻味が複雑にからみあうのでした。
魏 こういうふうに店でも作っています。まず、山椒の油を作ります。1週間、生山椒を浸けて徐々に作っていきます。油を使ったもの、揺すったら全然見えない。1週間くらい浸けた山椒の香りを入れていく。なおかつ四川山椒を、こうやって入れていきます。葉山椒、村田さんに一回してみたらと勧められました。確かにおいしくなった。鷹の爪を入れていきます。ゆっくりゆっくり煮詰めていきます。結構、麻婆豆腐は複雑なのです。大体、煙が出てきたらここにスープを入れます。これでちょっと沸騰させます。油で山椒と鷹の爪を炒めている時、強火はだめです。焦げ臭くなります。もうちょっと煮詰めます。四川省にいくと油でスープを入れて白菜とか豚肉とか炒めたものも、またおいしいです。ここは火力が弱いね。中国料理は火力が勝負なので。店でやると、スープが白くなっていきます。このくらいでいいです。漉します。こうやって店では麻婆豆腐用に作っておきます。結構、出るんです。コースなのに最後に「麻婆豆腐ちょうだい」みたいな。
おろしの生姜とニンニク、豆板醤、麻辣醤をうちでは作っています。豚ミンチ、これを炒めていきますが、ひっくつか、ひっつかないか。昔は羊の肉でした。新鮮だったんで臭みがなかったと聞いています。日本では陳建民さんがやった時には羊が手に入らないので豚肉でした。最近では牛肉ミンチでやるところもあります。鍋に油をなじませてやっていくんですが、少し油を残しておく。全部漉さないようにして。まだ油を使います。混ぜていただいて挽き肉は炒めておきません。一緒にうま味を閉じ込めるために入れます。よーく炒めていただいて、最初強火で炒めだしたら弱火で、これがコツです。うま味を逃がさない。最近は挽き肉を炒めて別においておきます。よーく炒めていきます。これでちょっとお酒を入れます。油味がどんどん出てきます、グズグズと。ここでさっきのスープを入れていきます。最初に肉と一緒に炒めない。ちょっと苦味が出てくるので、苦味を出さないように。スプーンください。ここで豆腐を切って、普通、四川料理ですと、お豆腐を切って湯がきます。僕は湯がきません。豆腐の中で大豆のエキスが入っていて、豆腐は乳化されていますから。今日は濃いめに作っています。ご飯の上にのせようと思ったんです。豆腐がクリーミーになる。湯がかないからです。ここでどんどん煮詰めていきます。ここでまたネギ油、ゴマ油、ラー油、和山椒、店でやる時は、ここまで作っておいて、寸前で油を入れます。なるべく豆腐は潰さないように。豆腐は少し煮込むこと。7、8分は煮込みます。スープがなくなるくらい。できて5分くらいおいておく。注文が入ってから15分でできます、少しおいておきます、水が出てくる。その間に油を漉しておいてください。あと片栗粉で止めるだけです。山椒だけとっておいてください。最後にネギを少し入れておいてください。油をここに入れます。こんな感じになります。どんどん油が下がってスープの中に入っていきます。火を止めて。ここで土鍋を使っています。油を引いておきます。ここで粉山椒を潰して入れます。ネギの甘みを出すために。少し下は焦げますが、約1、2分、強火でやります。煮立った油を皿に入れます。火力が勝負なので。火を止めてもグズグズいっています。鍋を移してください。四川料理も上海料理もそうですが、鍋が焦げるのがおいしいコツです。煮込み料理は周りが焦げないとおいしくない。はい、できています。移しましょう。お客さまの前にもってきて開けていただいて、1分間待つ、開けると油が下がっています、混ぜて食べる。油は濃くない。以上です。村田さん、どうでしょう。



村田 豚肉と違って羊肉を使ったらどうやろう。
魏 うまい羊だったらおいしいです。羊が嫌いな人が多いので、いいのは臭くないです。中国でも豚肉、牛肉で、新鮮な羊肉は高いのです。今度、羊の麻婆豆腐を作りましょう。
門上 麻婆豆腐研究会がありまして、中華料理屋さんにきくと、乳化させる人とさせない人がいる。乳化させない方が多い。今日はあえて乳化されてますが、そのポイントはどういうところにあるんですか?
魏 乳化させることによって、こんなに油が入っているけど、油っぽくない。逆にうま味が出てくる、油の中に。ネギ油とかラー油とか山椒の油とか。
川崎 味としてのうま味ではなく、油という独特の感覚を与える。油に香りを溶かして、それをいかに感じさせるか。普通は、最後、片栗粉で止めることによって馬鈴薯デンプンが水をほしがって、油から水をはぎ取ることによって、乳化をブレークさせる。今回は、ゆるめの片栗粉だった。食べてどう感じられるか。普通のは多分、パッと口に入れた時に香りがふわっとすぐすると思うのですが、今日の麻婆豆腐は、じわっとゆっくり、いろんな香りがする。それが乳化のいい効果だと思われます。乳化されたことによって油に溶けているいろんな風味が、ちょっとずつテンポラルに時間に差のある麻婆豆腐になったのではないかなと思います。
魏 麻婆豆腐に限らず、中国料理で油の使い方は、油がこんなに浮いているのに全然油っぽくない。僕たちは油を結構、使います。ネギ油とかゴマ油とか、その中で、油で差を出す。食べても何かさっぱりしているというのが中国料理人の技術で、麻婆豆腐にしても、そういうふうに対処します。

