- 定期
![料理の味を引き立てる「香り」Program 2:料理デモンストレーション+試食 [フランス料理]](https://food-culture.g.kuroco-img.app/v=1774927650/files/topics/654_ext_2_0.jpg)
料理の味を引き立てる「香り」Program 2:料理デモンストレーション+試食 [フランス料理]
Program 2:料理デモンストレーション+試食 [フランス料理]
講師紹介
関西食文化研究会コアメンバー
「オマール海老のポワレ 香味のパレット仕立て」

香りを口の中に保持し、いかに感じてもらうかを考えた料理を披露。デグラッセの活用、自前の香り付け調味料(アロマオイル、チャツネ、ペーストのクーリー)などが立体的にデザインされた、香味の掌編のような一皿でした。
今日は、食べる時の口の中で感じる香りの時間差を考え、いろいろな香り、味を一皿の中に入れました。この中には油の中に香りを閉じ込めるルセット、アロマオイルとか香草のクーリーがあります。アロマオイルに関しては召し上がられるとすぐに口の中に香りが広がります。香草のクーリーに関しては少し時間が必要です。口の中に入って油が溶けていく、油の量もありますが、どこかにナイフと一緒に香味成分があたった時に初めて感じるもの。濃度によっては香りが保持されると考えるので、また時間が違うと思います。マンゴーのクーリーとかもつくっているのですが、口の中でほぐれていく、その時に出てくる香りはバニラのクロカン、これはバニラを葛粉の中に入れることによってカプセルの中に香りを入れ、カプセルが溶けた時に香りがする。香りを保っておくことができるのではないかと考えています。今日は一皿の中で食感、五味、センサーを使って最大限に楽しんでいただけるような楽しい料理です。試食もそういう考え方で食べていただければと思います。口の中で噛み始めると意図がわかっていただけるのではないかと思います。
オマール海老はブルターニュ産を使います。1992年、日本に帰ってきた当時はブルターニュ産のオマール海老が手に入りませんでした。独自のルートで輸入を開始しました。僕の功績です。殻はおいしい成分が抽出しにくいので、足のところを切ります。その方がおいしいと思います。アメリカンソースをつくりますが、コライユを最後の仕上げに入れるんですね。ブルターニュ産のオマール海老の特徴はコライユ、いわゆる、みそですね。全く違います。このみそを使うと本当においしいアメリカンソースができます。頭の方は刻んで尻尾はまっすぐ使いたいので竹串を使います。串を刺して食の安全があるので5分間ボイルします。次に十分に熱した鍋に刻んだ海老の頭を入れます。昔はバターでやっていましたけど、オリーブオイルでとることが多いです。髭とかが長すぎると直接火がかかって苦くなるので気をつけながら炒めていく。その時、殻が色づくような状態にして。煮出して海老のダシをとっていく。香ばしい海老の香りがたくさん出ておいしいジューになると思います。水分が出てきます。海老を使う時にはあまり動かさないようにした方がいい。しっかり炒めたところでニンジン、ニンニクを加え、デグラッセしたらあとは水をひたひたまで入れて沸いたら弱火で45分くらい。その時にあまり水分が煮詰まらないように、煮詰まったら水を足して、しっかり水の中にある状態で。煮出すことと煮詰めることを一緒にやってしまう料理人がいますが、煮出すことと煮詰めることは別だという考え方をもっていただいた方がいいと思います。煮出しして漉します。漉してから煮詰めます。このくらい煮出したものを漉します。時間がかかりますが、濃度がついた時に最後にシェリービネガーを入れます。樽の香りとか低温のメイラード反応が起こります。フランス料理は調味料がなく、お酒とかを使いますが、どこでどういうものを使うのかも大事。オマール海老のジューに酢を入れるのはあまりないですね。仮説ですが、香りを強く感じるのは酸味があれば感じやすいのではないかと、そんな感じがします。「ノーマ」に行きましたら、発酵、発酵でした。すべての皿が酸っぱかった。



次にマンゴーのチャツネをつくります。焦げすぎるといけないので、ここのコントロール、煮詰める時は焦がさないような状態に。バターを入れてタマネギ、生姜、香りがするように炒めます。バターが生姜の香りをしっかりと吸ってくれていると思います。蜂蜜をここで入れます。香りを増すだけでなく調味料として使いたいなと。蜂蜜とバターが入っている。バターにアミノ酸が入っているのでメイラード反応が生成されやすく、ビネガーを入れることでメイラード反応しやすい状態をつくっています。もう少し炒めます。色づいてきて、これで調味料ができている。これがフランス料理です。マンゴーを入れてチャツネ状にしていきます。ジューが煮詰まりました。料理の神様が加減を教えてくれます。ジューもこのくらいの状態でいいと思います。
アロマオイルの材料は生姜を厚切りにしたものとライムの皮の部分だけ。柚子でもおいしいと思います。オリーブオイルを袋に入れて80℃にして2時間。香りを保持したオイルができます。そのオイルに混ぜていきます。山椒オイルとか、油に溶ける香りと同じです。少し温度を加えると香りが出やすい。パックしているので香りが逃げずに、この中に保持されています。そこにライムジュース、生姜、皮つきでみじん切りにしたもの、ライムの皮、ライムの果汁、ピキロスというバスク地方のピーマン、マンゴービネガー、ネパール胡椒と塩を混ぜたもの。これを混ぜ合わせたアロマオイルを召し上がっていただきます。香草のクーリーは、オリーブオイルの中にセルフィーユ、コリアンダー、シブレットをミキサーでかき混ぜます。オリーブオイルで香草の香りを保持させている。口の中に入って唾液に触れた時に揮発していきます。そしてマンゴーのクーリーはマンゴービネガーとマンゴーをピューレ状にしたものをあわせています。ここでもお酢を使っています。
オマール海老のタルタル。アロマオイルが下に沈殿しています。タルタル用に胴体を刻んでいます。ローストして香ばしさを出します。タルタルはライムをみじん切りにしたもの。シブレット、カレーパウダーをほんの少し、カレーの味が少しします。ネパール胡椒を入れて実の部分を入れて混ぜ合わせて付け合わせました。透明のクロカンは、砂糖に葛粉とバニラビーンズを入れてミキサーでくだいて鍋に入れて。火を入れすぎたら、かき混ぜると伸びません。火をかけた時の加熱は緩くします。鉄板で薄く伸ばしてあとは乾燥焼きにしたもの。葛ですから口溶けはすっと溶けます。もう一つはバニラオイル、グレープシードオイルにバニラを入れて80度で2時間。バニラの香りを長く感じていただけるかと思います。
盛り付けます。皿の中央にマンゴーチャツネを敷いて、パンクロカンを上に乗せます。オマール海老のタルタル。濃度をつけてないのでまとまりにくければピューレ状を入れてつないでもらってもいいです。アロマオイルを上から。オマール海老のジューを詰めたものにシェリービネガー。いろんな野菜、スプラウトの芽の部分とかです。噛むといろんな香りとか味が違うものが出てくると思います。結構楽しいと思います。オマール海老の爪の部分、焼き色をつけてバニラのクロカンを上からかぶせて。バニラオイル、これはドットにおくことで、食べる時、いろんな表現が出てくるかなと。つけるところによって違うのと、料理は香りも大切ですが、見た目の色も重要なので、いろんな色を使って。これで料理は出来上がりです。

