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「料理と飲み物の相性 Part2」Program 2:スタディ[ソムリエの視点から]

「料理と飲み物の相性 Part2」Program 2:スタディ[ソムリエの視点から]

Program 2:スタディ[ソムリエの視点から]

講師紹介

岡 昌治(おか まさはる)氏
リーガロイヤルホテル・日本ソムリエ協会会長

ワインの種類はたくさんあり、赤ワインでは、ピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニヨンの品種が主流ですが、この二つは大いに違っています。ピノ・ノワールは、タンニンが少なく、酸が多いワインです。カベルネ・ソーヴィニヨンは、酸よりもタンニンがしっかりしているし、重いタイプのワインです。カベルネ・ソーヴィニヨンのブドウは対応性があって、いろんな国でそれなりに育ち、それなりのワインができています。たとえば、我が国のカベルネ・ソーヴィニヨンはどうか。最近、品質が向上しています。私は昨日まで山梨で日本のワインのコンテストの審査をしていました。カベルネ・ソーヴィニヨンの今年の金賞受賞ワインは8月上旬に発表されます。しっかりした味わいでした。対して、ピノ・ノワールのワインは醸造家にとっては造りたくて仕方がないんだけど、できない。日本でもまだできていない。世界の醸造家がこぞって育てても難しいブドウが、そう簡単にできるわけではない。涼しいところで石灰岩の石灰質を含んだエリア。その代表的なところがフランスのブルゴーニュなんですね。ピノ・ノワールの語源ですが、ピノ・ノワール種のブドウは、房が松ぼっくりに似た形で粒が小さくて凝縮した感じなんです、そこからピノ(松)と名前がついたのではないかといわれています。文献的には14世紀に登場しているブドウの品種です。ブルゴーニュは1から3世紀頃のローマ帝国の時代にローマ人がフランスのマルセーユあたりまで北上してきて、このへんにブドウを植えられたというのが文献に載っています。ピノ・ノワールは世界の栽培者が育てようとしてもうまくいかない難しい品種なんです。フランスではブルゴーニュ、シャンパーニュで育てられています。あとはアルザス、ジュラ地方。ブルゴーニュとシャンパーニュはフランスの北にあって隣り合うエリアで、涼しいところで育てられています。

フランス以外では、最近、ドイツがうまいピノ・ノワール・ワインを造りだしています。その他、イタリア、スイス、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなどでも造られています。

もともとブルゴーニュのワインは酸が強くて香りがあって、飲みやすいワインが多いのです。日本人は渋味が苦手のようで、さわやかな酸味を持つピノ・ノワールは飲みやすく、人気が高いのです。そのピノ・ノワールで楽しめる料理としては、次のようなものが挙げられます。パセリやハーブの入ったハム、ジャンボン・ペルシエがありますが、ハムをぶつ切りにしてパセリとゼリーで固めた惣菜料理との相性はとてもいいですし、塩気とパセリの風味とピノ・ノワールは合うということがありますね。また、普通は卵料理にはワインはあわせませんが、赤ワインで卵をポーチド・エッグにして残った赤ワインで煮詰めて小タマネギとかベーコンを入れて作る料理ウフ アン ムレット。ブフ ブルギニヨンというブルゴーニュ地方のビーフシチュウもあります。赤ワインで煮込むわけですから、合わないはずがない。フォンデュ・ブルギニョン、牛のオイル煮のような料理もあいます。川崎先生の言葉をお借りすれば、“ウォッシュ”もいけるし、“ニュー”もあるでしょう。

山口シェフの料理。魚に赤ワインを合わせようと。何がポイントかというと、ピノ・ノワールとの相性は「酸」だと思います。料理の酸とピノ・ノワールの酸があって、新しい味わいを醸し出していましたね。ポイントはそこだと。山根シェフの料理。普通、仔羊やトリュフといえばメルローとか熟したカベルネ・ソーヴィニヨン系のワインを合わすことが多いんです。香りのバランスでいけば合わせやすい。それを、さてどういうふうに料理されるのかなと思っていたら、キーポイントは、ミルクでマリネ。ミルクの香りとミルクでマリネされた仔羊の食感の味わいとピノ・ノワールの酸味がいやがらないんですよ。ピノ・ノワールはとても難しいんだけど、これだけうまいということを認識していただいて、話を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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