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「つなぐ」~食が色々なモノ、コト、ヒトをつないでゆく~Program 1:料理プレゼンテーション(試食提供) [スペイン料理]

「つなぐ」~食が色々なモノ、コト、ヒトをつないでゆく~Program 1:料理プレゼンテーション(試食提供) [スペイン料理]

Program 1:料理プレゼンテーション(試食提供) [スペイン料理]

講師紹介

梅 達郎氏
「レスピラシオン」オーナーシェフ
料理

「未利用資源の活用」

料理人は生産者と消費者をつなぐ存在であるという梅さん。なかでも地域の生産者とのつながりを強めるために取り組む、地元・石川県能登の海の未利用資源の活用プロジェクトを紹介。天然資源としての価値を高めた食用ウニや外海で育つカキを使った料理を披露していただきました。

私の地元・能登でも、環境問題だけでなく生産者の高齢化や資金繰りなど多くの課題があり、地元産の食材を守り育てる後継者へといかに引き継いでいくかが問われています。里山では生態系を守る人が減り、荒れたままになっています。後継者がいなくなるのは、技術が継承されなくなることとあわせ、そこで育まれてきた文化までが途絶えてしまうことになるのです。そういう現状に対し、私たち料理人が何かできることはないかと考え、とくに生産者さんとのつながりを強めるために社団法人「NOTOFUE」を起ち上げ、活動しています。

現在、能登で獲れる魚介類は600種ほどありますが、そのうち360種が未利用魚です。未利用魚については、料理人が積極的に使ったり、新しい使い方を提案したりすることも必要かと思われます。例えば「NOTOFUE」では、これまで駆除対象になっていた雲丹の一種(キタムラサキウニ、ムラサキウニ)を見直し、昨年秋頃から漁師さんとともに身入りのある雲丹へ育てようと取り組みを始め、今年4月には実際の身入りが確認できるまで育ち、出荷できるようになりました。今後は、さらに天然資源としての価値を高めていきたいと考えています。本日は、その雲丹の身を食べてもらおうと持ってきました。

それと、私達といっしょに雲丹を育ててくれている漁師さんがもともと収穫している天然の岩牡蠣も持ってきました。これは能登半島の西側(外海)の深いところで通常の牡蠣よりもゆっくり育ち、身がクリーミーだと評判の牡蠣です。本日の料理は、この牡蠣の身を魚とアサリで取っただしに加え生クリームでコーティング。これに、新玉ねぎと男爵いもで作ったピューレと雲丹とあわせて味わっていただきます。

(「NOTOFUE」代表者から補足説明)石川県能登半島に広がる「能登の里山・里海」は、2011年に日本で初めて世界農業遺産に認定されました。それ以来、地元の生活に密着していたはずの輪島の朝市などが観光地化し、コロナ禍で観光客がいなくなると途端に寂れてしまうという経験をしています。この例にみられるように、本来の意味や機能が忘れられてしまったり、長い間に変容して知られなくなったりすることは、未利用魚の問題と通じています。駆除対象にされた雲丹の身はどうして育たなくなったのか、そういう疑問から私達の活動が始まりました。つなぐということは、切れたり離れていたりする物事や人をひとつにしていく動きを表します。いまや物事だけでなく情報も大きな資源となります。持続可能性が問われるなか、私達は地域を巻き込むようなさらに強いつながりを広げていきたいと考えています。

「未利用資源の活用」

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