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「つなぐ」~食が色々なモノ、コト、ヒトをつないでゆく~Program 3:トークセッション 2/4

「つなぐ」~食が色々なモノ、コト、ヒトをつないでゆく~Program 3:トークセッション 2/4

Program 3:トークセッション 2/4

講師紹介

門上 中東さんが発せられた食材を磨くということ、すてきな言葉だと思いました。中東さん、そういう意識って何かきっかけがあったんですか。

中東 まず私の場合、レストランがその地域を象徴するスポットじゃないといけない。以前からそう思ってたんで、五、六年前からそういうふうに思い出して、じゃあ地域の象徴となるためにはどうしたらいいのかと考えていったら、これは地域に貢献するしかないなと思って、それから動き出していったわけなんですね。地域とは何かというと、食材もありますけど、観光資源もあるわけなんです、自然もあるわけなんです。それが我々の生活では当たり前になり過ぎて、誰もそれを意識してみることがなかったんですね。だから、私の場合、食材を磨く、何かを磨くっていうことは、その食材、それを意識するっていうことです。それを意識することによってきちんと食材が磨かれたり、観光資源が磨かれたりしていく。それを村のみんなでやっていこうよということで始めた取り組みですね。

門上 地域によっては、中東さんのような中心的に動いていく人がいないとなかなか成り立たないし、それに、ついてくる人っていうか、協力者がいっぱい現れてくれないかということにも係ってくると思うんですけど。今レストランの在り方みたいなことで、花背周辺にも少しずつそういう飲食店なんかも増えつつあるんですか。

中東 いいえ、全然増えてませんけど、これから増えていくように、私自身も義理の兄と一緒に新しく地域を活性させるための会社を立ち上げました。うちは料理をしてますけども、料理だけじゃなくて、例えば遊びの分野でもっと自然と触れ合えるようなものができたらいいなということで、新しい会社を立ち上げ花背で遊ばせられるようにしています。そのうちいろんな人たちを呼んできて、レストランまではいかないかもしれないですけれど、ちょっと立ち寄って花背を感じられる、地域を感じられる、そういう飲食店を増やしていきたいなと思います。

門上 今地域が穴場というか何軒かの飲食店によってすごく活性化されてるっていうことがあると思うのですが、金沢で梅さんは肌で感じられてますか。

 来店されたお客さんに、今日のお昼はどこに行きましたかとか、明日どこに行くんですかと訊くと、最近は、能登半島輪島の「ラトリエ・ドゥ・ノト」、能登半島七尾市では「ヴィラ・デラ・パーチェ」や「一本杉川嶋」の名前がよく挙げられます。石川県に来られても、今までは金沢の周辺だけだったのが、能登半島にこの3店舗があるだけで能登まで行く理由になっているのではないかなと感じています。

門上 実際に石川県での話ですが、ジャパンタイムズ社が東京23区と政令都市を除く日本各地のレストランを選ぶ事業を始めたり、今こう割と地方でそういう動きが生まれてきている時代だと思われます。先ほど、都市とローカルとか、食文化というのはその土地に根づいたものであるとかの話が出てきました。そういう意味では「つなぐ」のテーマについて手探り状態で始めたんですけれども、いろんな見え方が出てきているなと思われます。山口さん、どうですか、「つなぐ」ということも含めて。

山口 2年ぶりですが、ダイレクトで声を聞いたり、調理するのを見たり、食材を口に入れて食べたりするということが何よりも貴重やなと実感させられました。レストランには、オンラインではできない人を「つなぐ」という大切な役割があるんで、こういう元の時代に戻ってよかったなとすごく強く思っています。食用にできる魚は500種類と思っていたら、600種類あるんやという話をうかがい、また新たな勉強になったんですけど。日本人のアイデンティティは、自然によるところが多くて僕たちフランス料理を学んだ者はフランス料理のテクニックを使って日本の四季とかを学びながら、料理で表現しています。梅さんはスペインの風と一緒に日本の食材で表現したいという話でした。いろいろなジャンルが今まで以上に広がって、より深い世界に入りかけているんだなと感じることができた講習だったかなと思います。

門上 ありがとうございます。今年の「つなぐ」テーマをどう捉えたらよいか、探りながらやってきましたけども、何となくでも方向性が見えてきたような気もするんです。けれど、いろんなことが食文化ときちっとリンクしてないと意味がないような気が今日はいたしました。
じつは、会場から質問がありまして、山口さんへの質問です。科学的なおいしい食の選考によって文化的な要素がちょっとないがしろにされているという発言でしたが、新たな食の可能性としてフードテックが注目される中、今後どのようなことが危惧されていますか、あるいは期待されていますかという質問です。

山口 新たな時代に入るというのは、入らなければならないだろうなと思ってるんですね。食べる側と作る側で一緒に変えていく時代になったし、変えられる時代になったのかなと。関西食文化研究会や2025年の大阪・関西万博が一つのきっかけになって、次の世代に「つなぐ」ということを考えたときに、僕はこのままだったら駄目だなという、その思いの中で料理を作ったり、サステナビリティについて取り組んだりとかしているというのが現状で、問題はたくさんあると思います。

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