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「つなぐ」~受け継がれるDNA~Program 1:料理プレゼンテーション(試食提供) [イタリア料理]

「つなぐ」~受け継がれるDNA~Program 1:料理プレゼンテーション(試食提供) [イタリア料理]

Program 1:料理プレゼンテーション(試食提供) [イタリア料理]

講師紹介

筒井 光彦氏
「キメラ」シェフ
料理

「オシェトラキャビアとイカのアフェッタート 紫蘇味噌クリーム」

今日は、僕だけが会場に師匠(当日ご出席されていた、ポンテベッキオ オーナーシェフ 山根大助氏)がいます。僕は「ポンテベッキオ」で12年修業しました。考えてきた料理はイカとキャビアの料理です。「ポンテベッキオ」にはジャガイモとキャビアのティンバッロという料理がありまして、毎年マイナーチェンジされてます。作る度に違ったうま味や風味を追求されていて、そういうところに師匠の飽くなき探究心を感じてしまいます。それが僕にはすごく刺激的でした。

イカは沖縄とか山陰で獲れるアカイカとかソデイカというものですが、兵庫の日本海で奇跡的に獲れたんで、今日はこの料理にします。イカは冷凍です。冷凍しておくと、酵素が働いて甘みが出てきます。大体15キロありますが、薄くスライスして使おうと思います。冷凍しないとスライスもできません。師匠にはいつも何を主役にする料理かを考えろって教えられました。その料理を盛り上げる、守り立てる脇役、これを何にするかもかかわってきます。

まず、だしを取ります。「ポンテベッキオ」でも20年ぐらい前からですが、昆布を使ってまして、火口の横に昆布を1日戻した昆布水を置いてました。何に使うかというと、パスタの水分調整とか、ソースだったりでした。その頃、僕らはこれ味ないけどと思ってましたが、実際パスタに合わせたりするとうま味が相乗効果で強くなるのを実感していました。今日もだしを取るんですが、僕は羅臼昆布と干し椎茸の軸、これを水に一晩漬けてます。これを濾して、それから火にかけます。このだしで野菜を蒸し焼きにします。師匠に一番教えられたのが、野菜は茹でないことです。エチュベと呼んでるんですが、少量の水分で蒸し焼きにする。蒸し焼きにするときも水分を多く入れ過ぎて、師匠には「おまえ、茹でてんのか」ってよく怒られました。ですので、「ポンテベッキオ」にいた者は僕も含めて今もそれを忠実に守っています。

今日は、鶏節を用意してます。胸肉を1度ボイルして、その後、薫製にしてます。鰹節の鶏バージョンです。僕たちだと鰹の生臭さだったり、うま味の強さがちょっと邪魔になることとかありますので、どちらかというと味はしっかりしてるんですけど、スモークの風味以外はそれほどない鶏節を使います。沸いてきましたので、野菜を入れます。だしを取るときに注意されましたのが、煮過ぎるなということです。最初のほうは味が出ておいしいけど、後半はずっと炊かれてて、だしが何の味かわからなくなっているとよく言われました。だしを取るときはだしに入ってるものから上げるタイミングが一番重要だというふうに教えられました。このだし(鶏のブロード)で蒸し焼きにします。オリーブオイルを絡めて、野菜が蒸せる程度の水分で蒸し焼きにします。入れ過ぎると水分が出てしまって野菜の味が水っぽくなってしまいますので、ちょうど上げるときに水分がなくなるようなところにしないといけない。火がなかなか入らないものを加熱するときは何回もしないと駄目です。もう少しなんで。もうでも上がりますね。これを1度一旦軽く冷やします。

次にソースを作ります。今日は、イカにブロッコリーを合わせました。僕が卒業してからの「ポンテベッキオ」の料理にイカそうめんがありますけれど、そのオマージュです。イカとブロッコリーをつなぐものとして今日は紫蘇を選びました。コクを出すために白味噌を使おうと思いまして、それとの相性もよいので紫蘇にしました。ミキサーにオリーブオイルと白味噌を入れます。1度攪拌しますが、今日は焼酎を入れます。その理由は、今回は酸味はあまり要らないと思ったのと、酸味があると紫蘇の色が変わってしまいますので、酸味のない焼酎にしました。アルコールを飛ばして一旦冷やします。

師匠には3つのどれかに当てはまらない料理は作るなと言われました。その3つは、めちゃめちゃ旬か、めちゃめちゃ面白いか、めちゃめちゃおいしいか、この3つのうち少なくても2つは絶対入ってないと出す料理じゃないって言われました。今日は、見た目の面白さとしては、カネロニの形にしようと思いましたんで、その部分とおいしいをキャビアに助けてもらってます。イカは、まず冷凍した時点で筋繊維が壊れて軟らかくなります。その後、薄くスライスすると細胞が潰れて甘みの成分が出てきて舌の上で感じやすくなると思いましたので、イカをカネロニ仕立てにしました。

配布したレシピにはオシェトラキャビアと書きましたが、オシェトラはいまいちだったので、今日はハイブリッドにしました、ごめんなさい。粒がちょっと大きいキャビアになってます。イカが軟らかいとはいえ、多分何回かかまないといけないと思いますので、すぐなくなってしまうともったいないので、何回かかんでる中でキャビアの味がしてくるっていうイメージで作りました。最後に柚子の香りをつけて、こちらで完成になります。

今日は、受け継がれるDNAというテーマだったんで、僕の他に「ポンテベッキオ」出身者で日曜日が休みの2人に手伝いに来てもらいました。「ドゥエ・フィオーリ」の土谷哲平と「capi」の小川大喜です。「キメラ」ともどもよろしくお願いします。今日は、どうもありがとうございました。

「オシェトラキャビアとイカのアフェッタート 紫蘇味噌クリーム」

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