- 定期

「つなぐ」~受け継がれるDNA~Program 3:トークセッション 1/4
Program 3:トークセッション 1/4
講師紹介



参加コアメンバー:山根 大助氏(「ポンテベッキオ」オーナーシェフ)、吉岡 勝美氏(辻調理師専門学校中国料理技術顧問)
進行:門上武司
門上 今回のプレゼンテーションを師匠として面前で目を光らせていただいた山根さん、どうでしたか。
山根 とてもうれしかったですね。それと、僕は一代で始めましたし、店を始めたときってかなり若造でして、まだ20代の半ばぐらいだったんですね。筒井が入ったのがその後10年ぐらい経っていたときかな。その頃の僕のまとまってきた考えと、その後で残念ながら変化してしまう考えもあるんです。だから、どの時期に一緒にいたかによって多少言うことは違うということ。オーナーは、そのときの最新の自分の考えを正しいと言い切る。前と言うてることちゃうやんっていう矛盾をあえて無視しながらやってきましたので、そういうのも出ていたと思います。
門上 ちなみに吉岡先生は、それこそあまたの生徒を輩出されています。今日の皆さんの受け継がれ方をどういうふうに思われましたか。
吉岡 新しい料理を考えるということで強く記憶に残っているのは、フランスで始まったヌーベルキュイジーヌの影響を受け、1980年代に香港の外資系ホテルで脚光を浴びたヌーベルシノワという料理です。それは、中国料理のシェフが西洋や日本の食材を手に入れて中国料理のテクニックで作る新しい中国料理です。この中国料理のテクニックで作るという部分がものすごく大事で、今もよく思い出すのです。調理師専門学校で中国料理を教えるわけですが、西洋とか日本のテクニックが情報としてあり余るほど入ってきて強い刺激を受けるのですが、中国の食文化を教える立場から、あまりにもいろんな要素が混在するとややこし過ぎるわけです。ですから、私の場合はいまある中国料理のテクニックを足したり、引いたりしながら、調理科学をうまく供用させて、組み合わせていくのです。例えばパコジェットを持ってきて何かを作るとかそういうことはしないわけです。情報がたくさんあって、料理人としてはすごく刺激的な環境で仕事をしているのですけれど、学問としての考え方としてはかなり保守的な中で自分なりの進化方法を模索しながら指導しているというのが実情です。
門上 ありがとうございました。今日は会員からの質問にも応えていこうと思っています。調理師専門学校の生徒さんから馬場さんに、鱧の骨切りをするときに注意していることを教えてくださいという質問です。
馬場 同じ鱧でも、骨が硬かったり軟らかかったり、脂があったりなかったりで包丁の入れる角度も変わってくるんですけど、私が「和久傳」の師匠から教えられ気をつけていることは、細かく入れるよりも、角度ですね。尻尾にいくにつれて角度を寝かせていくことには気をつけて骨切りをしています。それから、右利きの人の場合ですと、最後右にちょっと傾けます。真っすぐいって右に傾けます。そのひねりを少し入ることによって、火が入ったときにねじれて目が立ちますので、特に湯引きとか落としなんかをしたときには格段に差が出てきます。そういう技術をこれから身につけていただきたいと思います。
