Program 2:料理デモンストレーション[中国料理]
講師紹介
「南乳焼きアナゴ入り中国コロッケ黒酢ソース」

本日はアナゴの焼き物入り、中国コロッケをお出ししたいと思います。この揚げ物は見た目が蜂の巣のような穴がたくさんあいていることから「蜂の巣」揚げとも呼ばれ、広東料理の点心にある揚げ物です。生地には台湾産のタロイモを使います。大変粘りが強く、蜂の巣の形状をとるには最適かと思います。里芋科に属していまして、中身は薄い紫色になっています。食物繊維が大変豊富で、ビタミンCも多く含んでいて、胃腸の障害、便秘の解消にも効用があると言われています。今回は揚げ物に使用しますが、中国料理ではお粥に使ったり、デザートに登場したりもします。タロイモも蒸し器に入れて柔らかくなるまで目安として竹串が通るくらいに蒸しまして、裏ごしをして塩と砂糖で味入れをします。
次に使用するのは浮き粉。小麦粉の澱粉だけを精製したものです。芋を油に入れた時に、普通に衣がなければ散ってしまいます。そこを浮き粉が重要な役目を果たします。衣なしで油に入れますので、浮き粉が固化し、高い温度で粘りが出ます。そのため、熱湯で浮き粉を練ります。浮き粉の作り方ですが、お湯を注いでボールの中てなじませた後、逆さまにして蒸らします。余熱が残っている間に生地をよく練って粘りを出して、その浮き粉と裏ごししたタロイモをあわせまして、ラードを小分けしながら練りこんでいきます。最後にウーシャンフェン、五香粉を加えて仕上げます。これで生地の完成です。
続きまして、南乳ベースの付けタレを説明させていただきます。明石産のアナゴを使います。南乳は腐乳(フウルゥ)で、塩分の強い発酵豆腐です。こちらも紅色ですが、紅麹、酒、香辛料に漬け込んでいるので、このような発色をしております。肉の下味や癖の強い材料の煮込み、味付けなどに使用します。他の調味料はオイスターソース、醤油、砂糖、ハマナスの酒などが入ります。これらの漬地にアナゴを2時間漬けこんだものをオーブンで200度で焼きます。餡に入る材料はエビ、エノキ、鳥レバー。アナゴを含めた3ミリ平方で切りますが、中国料理の切り方では“モウ”と言います。エビ、エノキ、鳥レバーも、同じような大きさに揃えていただきます。アナゴ以外の食材を軽くボイルしまして、スープを入れたあと、味を醤油味ベースで整え、水溶きかたくり粉で止めて、それから仕上げに玉子を入れてこのような形にしております。冷蔵庫に入れますと締まりますので、これを餡として使っています。



でき上がった生地を20グラム、餡が10グラムくらいです。生地の両端をあわせましてフットボール型に包みます。油の温度は170度くらい。生地を入れると少し生地が散るくらいです。フットボール型に包む理由は、周りからラードが溶けだして、上に上がってレース状の形を形作ります。それを形状として皆さんにお出ししたいので、フットボール型にしております。
何とか形になりましたので、ソースの説明をさせていただきます。ソースは、江蘇省産の黒酢を使っております。もち米が原料になっていまして、1年以上の時間をかけ、発酵・熟成されたお酢です。この酢をベースにオリジナルで麦芽と蜂蜜、柚子茶で煮詰めまして、ソースにして召し上がっていただこうと思います。
油脂がテーマということをお聞きしてこのメニューを作ろうと考えたのは、まず包むものから入ったんですね。中国コロッケで、油脂をラードにし、植物油と動物油が入った時の状態はどうなるのか。中国料理のなかでも変わった揚げ物ですので、その形状を披露したかったということです。結構、このコロッケはハードルが高く、某ホテルで働いていた時も、メニューにこれを書かれると料理人は悲鳴を上げでいました。この機会に、もう一度向かい合いたいと思い、このメニューにしました。


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