Program 2:料理デモンストレーション[イタリア料理]
講師紹介
「海水漬けバフンウニのジュレ寄せを浮かべたアミノ酸スープ」

今日は、アミノ酸スープ。これは天然素材からとった複数のアミノ酸をうまく組み合わせることによって、うま味の相乗効果を狙ったソースです。もともとの発想は、ウニをおいしく食べる料理をしたかったんです。それに、海水じゃないけど、海水がおいしかったら、こんな味じゃないかというスープを作ろうと思いました。
アスパラガスは、固いところで十分。固いところは刻んでしまいます。うま味はそこにあると思います。アスパラガスにはアスパラギン酸というアミノ酸が多く含まれているはずです。それから、アサリと水と白ワイン少々の中に1時間ほど昆布を漬けてあります。
昆布はグルタミン酸が注目されていますが、アサリの中には、コハク酸というアミノ酸が含まれています。
そして、グルタミン酸が多く含まれているといわれているトマトを、刻んで火にかけます。15分くらいかけてゆっくり煮出しています。
それ以外には、極薄にスライスしたアスパラガスを具材として使います。そして、塩水漬けのウニを使います。ウニは結構、塩分を残している食べ物で、スープの塩分濃度ではウニはおいしくなりません。あえて海水濃度くらいの海水がおいしいという前提のスープですから、昆布水に塩3%を足して、ゼラチンで固めます。一回固まってザラッとしているのをもう一回火にかけて固めます。



アスパラガスはちょっと塩をかけてオリーブオイルをまぶして、昆布を漬けておいた水を温めて、60度くらいの温度で煮出します。昆布を入れると、なぜか色が澄みます。コンソメをとるような感じで10~15分で煮出していきます。アスパラガスは少量の昆布水を入れることで呼び水となって水分が出てきます。アスパラガスもアスパラギン酸を含んでいますが、グルタミン酸もあります。昆布水も加わることで、うま味がくっきり出ているような、さらに色も鮮やかに出ているような気がします。アスパラガスは、色をきれいに出したいので火入れします。あとはジュレが固まってくればOKです。
僕の考えでは、昆布というのは野菜の一種だと。残念ながら、昆布の風味を強く感じさせる昆布茶みたいな飲み物は、イタリア料理的かとういうと、そうではないと思います。僕の持論では、調理というのは世界共通で国籍があるものではない。うま味をうまく引き出す方法にはいろんなやり方がありますが、優れた調理の仕方は世界中の料理に当てはめることが可能だと思います。でも、料理には若干の国籍とか、個人のパーソナリティとか、地域性というものが必ず入ります。フランス人は鰹節を使ったり、昆布を使ったりしますが、僕の中では、イタリア料理にこういう香りが入るというのは、イタリア料理ではないような気がします。昆布は使っていますが、あくまでも調理としてうま味をうまく引き出したり、昆布のうま味を結果的には足しているんだと思いますが、昆布の味が出てくるのではなくて、アスパラガスの味が出てくる。海のスープのような味になる、そういうところで使いたいと考えています。
盛り付けはアスパラガスを空中に盛っているように。ウニの上から海水濃度に漬かった昆布水をかけます。きれいでしょう。上からジュレをかけて、スープも一緒に食べてもらいます。そしてオリーブオイル。オリーブオイルを入れると、結構おいしいです。これで料理は出来上がりです。


![「昆布とQ&A」Program 2:料理デモンストレーション[イタリア料理]](https://food-culture.g.kuroco-img.app/v=1774927649/files/topics/577_ext_2_0.jpg)