Program 2:料理プレゼンテーション [日本料理]
講師紹介
関西食文化研究会コアメンバー
「鶏の香味焼き」

漬けるというのは、京料理の場合、魚を漬けるには幽庵漬、味噌漬、そういうのがあります。もともと京都には鮮度がいい魚が入ってこなかったので、匂う。それを他の香りをつけておいしく食べる方法として、味噌漬けは生まれました。匂うマナガツオをそのまま塩焼きにしてもおいしくない。ところが、味噌に漬けると抜群においしくなる。違うものの味をもってくる、味をつけることと、鮮度を誤魔化す意味で漬ける。幽庵漬は、酒とミリンと醤油に漬けるわけです。塩幽庵は、薄口と塩。普通の幽庵は、濃い口です。
30年前、「瓢亭」の高橋さんが研鑽会をされている時、幽庵漬の塩味を味噌でカバーして、しゃぶしゃぶのような味噌幽庵ができた。味噌幽庵は、なぜよかったか。味噌漬にすると脱水します。味噌に漬けていますから。器の中に入っている味噌漬のマナガツオは冷めていますからカチカチです。カチカチで歯が立たないくらい固い。ちょっと風味があって、幽庵漬より複雑なんやけども、そんなにカチカチにしたくないということで、ゆるい塩味の味噌と幽庵の間みたいな地に長時間、8時間から12時間くらいと、長く漬けることによって味が中までいっているが、そんなに脱水が進んでないのか、カチカチでないものができたのが、今から30年前。今では味噌幽庵が一般的になりましたが、漬けるのが進化して、新しく生まれたものなのです。



今回は、京都に昔からある考え方とは違う「漬ける」をやろうと思いまして。これはアンチョビ、もう少し油があってもいい。アンチョビに入っていたオイルが欲しかったんです。漬けるのは面白いですね。自分の思う味につくって、その中に何でも漬けたいものをほりこめば、そのものの味になるわけですからね。あとは川崎先生の講義を聴いていて思いましたが、自分でつくっていて、合うてるんやなと。これにヨーグルトの酸味。もう少しうま味を足すためにドライコーン、トマト、麹。塩麹が流行っていますけど、なんでも塩麹の味になってしまうのは、世間に広がってない時はよろしいけど、これが広がると何でもその味になるというのは考えものですわな。
ここで香りに、もち米でつくった、おかき。白焼きを長時間焼いたら茶色になる。香ばしい。長時間焼くとメイラード反応が起こる。香ばしい味に変わってきます。熟成香が出てくる。それと一緒に均等にしまして、鶏ですから75℃くらいで加熱して60分。これを取り出して。このままでもおいしいです。焼きたてでもいいですけど、一回つめるか、オーブンで焼いていますけど、粉山椒、青柚子、茗荷の酢漬け。日本料理は一つの料理に香りは一つですが、僕の場合は複合で使うことが多い。その方が香りに深みが出る。昔からのものですが、できました。


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