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料理の発想ワークショップ part2 ピザから発想する「生地と具のかかわり」の再構築Program 1:プレゼンテーション+試食 [中国料理]

料理の発想ワークショップ part2 ピザから発想する「生地と具のかかわり」の再構築Program 1:プレゼンテーション+試食 [中国料理]

Program 1:プレゼンテーション+試食 [中国料理]

講師紹介

東 浩司氏
「「Chi-Fu(シーフ)」オーナーシェフ
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「才巻海老と豚挽肉の生煎包」

まず考えたのは、ピザとはどういうものだろうと。生地にさまざまな具材を乗せてオーブンや窯で焼くものだと。中国料理では、窯を使ったり、家庭でオーブンを使うことが少ないので、どうするか。中国料理の伝統料理で食感を再現できないかと探していったところ、「生煎包」という料理、肉まんをフライパンで油で煎り上げて香ばしい感じを出す料理に行き着いた。上海の街角で売られています。その料理でできないかなと考えました。具材はどうするか。折角なので、おなじみの中国料理の伝統的なやり方も知っていただけたらと「海老のチリソース炒め」、四川の伝統料理で挽き肉が入ったり、入らなかったりするんですが、ケチャップを使うわけではなく、海老と豆板醤を主体に料理をつくっていくものです。ケチャップを入れるようになったのは、四川飯店の陳 建民さんの画期的な発明で、以来ケチャップの入った海老のチリソースが広まりました。今回、ケチャップを使わないでやる料理も知っていただきたいと、生地にそれを乗せてお出ししようと思ったのです。

中国料理の場合、ご飯にいろんなおかずを乗せて食べる文化があり、炭水化物と炒めものの相性がいい。食べ方を考えた時、ピザは大きい形に焼いたのを切って食べる。それをテーブルですぐに一人一つずつ食べられる生地にしようと思い、今回、一人一つずつサイズで食感の違いを楽しんでもらえるようにしています。今からつくっていきます。

本来はサラダ油に海老の殻を入れて海老油をつくるんですが、今日は海老油を用意してあります。薬味にニンニクと生姜、食感を出すために大きめの賽の目にしています。ネギ、豚挽き肉を、うま味の増加で入れています。干し海老、豆板醤を入れます。今回、海老チリを選んだ理由として、ピザは色合い的に赤と緑と生地の白、そうしたイメージを考慮して豆板醤と海老の赤を活かしています。十分に炒めて、お酒、砂糖をひとつまみ、醤油、少し乳化させるように強火で炒めます。水分が出すぎて、生地がべちゃべちゃにならないように乳化させます。今度は卵を入れてとじる。これで乳化を安定させ、ふんわりとした食感が楽しめます。生地を置きます。中国料理も分業化されていまして、餃子や肉まんは「点心」と呼ばれまして点心師がつくるので、料理人はあまりつくらないんですが、料理人ならではの食感、炒めたものを使うということで、今回やっております。スチームコンベクションオーブンで蒸せたら、フライパンで煎り焼きします。ふんわりとした食感、肉まんの底の部分の香ばしさの食感をめしあがっていただきたいと思います。

門上 中華料理は取り分けるイメージが多いですが、これは一人前ずつですか。

 レストランとしてやるなら、もう少し小さいサイズでお出ししますが、取り分けることが難しい店もあるかと思いますので。こういうやり方にすることで生地の大きさも調整可能ですし、いろんな具材を乗せてプレゼンテーションできるかなという一つの提案です。薄くすればするほどカリッとしたものができますし、厚く切れば好きな食感にできることが、これからレストランとして使っていきやすいかなと。

門上 山根さん、生地の厚さを変えることによって薄ければ香ばしさがでる、ふんわりとか、生地によって食感が違うのはイタリアとは違うところですかね。

山根 ナポリピッツアは1枚の中で、わざと厚いところと薄いところをつくっていて。基本的には薄いんですよ。生地感と生地の香ばしさを楽しんで縁の部分があって、一つで両方味わっている。バランスは生地が分厚ければ割合が増えますし、モチモチ感が出る、もっと厚くなると、ニチャニチャしてくるかもしれない。そのバランスがあると思います。

門上 この料理は今回の「ピザから発想する」というテーマですぐに思いつかれましたか。

 最初は包んで揚げようかなとも考えました。中国料理は窯が使えないということで考えていたんですが、折角だからピザらしく見えるものにしようと、いろいろ考えてガストロミックなレストランで出せるものとして盛りつけできないかなと、このような料理になりました。乗せる具材が本来のやり方でやるとうま味が足りないので干し海老を足してみようとか。イタリアンだったらアンチョビを乗せたり、チーズを乗せたり、さまざまなうま味があるので、どうにかできないかなと。挽き肉も入れた方が、うま味の増幅があるのでということで使っています。

山根 世界には、ピッツアの生地だけでなく、フレンチのパンの生地とか、お菓子の生地とかたくさんある。東さんのは、中国料理のものすごい歴史の中で、よりよいものに昇華されたものなので、強いですよ。独特の食感とか、うま味を追求していって。それも1、2年の話ではなく、何百年ですから、にわかにはつくれない。でも、もとの形に近いほど、それと違うものになるのはネガティブに感じられてしまうと思うんです。ですから、もっと大胆に違うものでもよかったのではないかという気がします。僕の生地を使って東さんがつくる具材を乗せてみるような試みの方が面白かったかもしれませんね。

門上 ありがとうございました。ディスカッションも楽しみになってきました。

「才巻海老と豚挽肉の生煎包」

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