Program 1:料理プレゼンテーション(試食提供) [フランス料理]
講師紹介
「瀬戸内産未利用魚のベニエ 瀬戸内産焼きレモンとマンゴー風味」

サステナブルシーフードとして日本の魚への関心を強める山口さん。今回は食材とのつながりに「鮮度」という軸があることを提示。市場に出回らない未利用魚(今回はチヌ)と利用魚(明石鯛) を同じ揚げ料理(ベニエ)にして、食べ比べながらなぜ価値の違いが生まれるのか考えようと提起していただきました。

前段の話として、料理を「鮮度」を基軸に考えてみたい。食材の鮮度保持の文化や歴史からみても、現在の日本は、生産から流通までの段階で温度が2~3度くらいしか変化しないで保持されるようになっています。この鮮度保持のために洗練されてきたのは世界でもまれな技術で、料理をすすめていく面からでも日本がいかに優れているかがわかります。むしろ、スーパーなどで消費者が食材を手にしてから各家庭に持ち帰り料理するまでの間に温度が著しく変化してしまうようなことが起こってしまうのですが、日本人が鮮度を大事に考えてきたことは今回の「つなぐ」というテーマにもかかわり、これからも守っていきたいひとつに挙げられます。一次産業の六次産業化がいわれているなか、サステナブルへの関心もあわせて「つなぐ」という文化は大切にしていきたい。
本日のプレゼンテーションは、未利用魚と利用魚を食べ比べてもらいます。利用魚に用意したのは、日本でも有数のブランド魚として知られている明石鯛です。チヌやクロダイの中には市場にはあまり出回らないので未利用魚とされるのですが、流通価格が安いからといって味にそれほど差があるのか、本当に価値がないのか、といったことを実際に食べて考えてもらいます。今回の未利用魚はチヌで料理します。



料理は魚の味を味わえるようシンプルに、生地で魚を纏って油で揚げるベニエです。ジュレは瀬戸内で栽培されているレモンを使い、焼きレモンにしてから作ります。ウォッカで漬けて和風にはない味わい自家製からすみも持ってきました。同じ魚を使う料理であっても、フランス料理の魚料理と日本料理の魚料理とはまったく違うのです。これまでは、日本近海で獲れた日本人には馴染みのある魚をフランス料理の仕方で料理しようとしていましたが、近年は地産地消の動きもあり、いまはフランス料理でも日本料理でもそれぞれの地域の食材を生かすための料理を心がけるようになっています。先日、フランスへ行ってフランス料理の現状を確かめてきました。地域の食材の背景とかストーリーも含めて味わうようなこれまでにない料理をしようとしていると実感できました。あと、今回の付け合わせは、マンゴー、セロリ、フリルレタスのサラダです。魚の鮮度を感じてもらうために柑橘類でアクセントにしています。情報に惑わされず、学んでおいしさを知るということも大切にしたいと思い、こういう食べ比べを提案してみました。


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