Program 2:プレゼンテーション解説 3/4
講師紹介
講演:「つなぐ」のデザイン
■日本料理は料理に「意味付け」をしている(参照:図7)
ところが、日本料理はそもそもこういうことをやってきているはずなんですね。茶懐石に、八寸という料理があります。そこでは、海のものと山のものを1つの器の上に乗せる。それによって自然への敬意を表現するのは、400年前に考えられてきた認識であり、考え方なんです。それって、すばらしいですよね。サステナビリティというと欧米が先行して我々日本が後ろから追っかけているみたいなイメージを持たれる方も多いんですけど、いや、日本では前からやってんねんと言いたいといつも思ってます。

■「意味」のある料理(参照:図8)
中国でも意味をつけた料理をよくされますよね。写真の料理は、東京のある中国料理店の料理です。あえて皿を縦に使い盛り付けて、下から上に食べてくださいと。そうすることで、お客さんの運気を上げるみたいな言い方をされますが、これも意味づけですよね。それによって、お客さんもああそうか、いいねってなるわけです。そのような文化、宗教、歴史、自然への意味づけ、こういう見えないものの表現というのを料理人はこれまでやってきてるし、これからもやっていくんだと思うんです。

■地方でやるガストロノミー(参照:図9)
そういうことを全部含めて、地方でやるガストロノミーというのは、とっても重要だなと思っています。「Noma」の料理だって、デンマークのコペンハーゲンの外れの倉庫街みたいなところにある「Noma」までわざわざ行くわけなんですね。その料理を食べに行きたいと思うわけなので、それが世界中からお客さんが来るということでしょうから、地方にとってとても役に立つようなことがあると思うんですね。

■「つなぐ」のデザイン(参照:図10)
本題です。今日の「つなぐ」のデザインについてですが、科学的な考え方ってどういうことかというと、1つは網羅的に考えるということです。漏れなく、ダブりなくということですね。それをどう考えようかと思い、5W1Hのフレームワークを使ってみようと思いました。まず要素だけ書いたんです。
When(いつ)は、現代、過去、未来。Where(どこで)は、都市と地方。シティーとローカルですね。Who(だれが)は、生産者、料理人、お客としました。What(なにを)は、食材と調理技術にしました。この要素って多分もうちょっとあるかもしれませんが、取りあえずこれだけでも結構な要素があるので、これで考えてみたいと思います。Why(なぜ)は、これらを「つなぐ」ことで得られる意義や価値。How(どのように)は、これらを「つなぐ」方法ですね。食材を使うとか技術を使うとか場を用意するとか、そういう方法があると思います。
そう考えると、理論上、Whenの3種類、Whereの2種類、Whoの3種類、Whatの2種類、それらは3×2×3×2で36種類の組み合わせがあるので膨大な数になるんですけど、よく考えたら、生産者は食材の組み合わせ、料理人と調理技術を組み合わせ、お客はWhatと関係ないというようなことを考えて、実際どれだけのパターンがあるかを考えたのがこちらです。

■「つなぐ」のデザイン(参照:表2)
料理を提供する側が12パターンありました。例えば一番上、Whenが現代、Whereが都市、Whoが生産者、Whatが食材。需要される側はWhenが現代、Whereが都市のお客さんです。そういうふうに考えるとどうでしょう。今日の山口シェフとかの料理は、上から3つ目ですよね。現代の地方の生産者の食材を現代の都市のお客さん、つまり神戸のお客さんに提供することでつないでますよね。中東さんと梅さんもそうかなと思ったのが、未来です。何か新しく、その土地でウニを育てられるようにするであったりとか、未来のためにっていうことがあると、未来、地方、生産者、食材と、お客さんは現代の都市のお客さんということだと思うんですけど、さらにそれぞれの組み合わせにHowとWhyがある。言いたいのは、もっと網羅的に、もっと他のやり方もある可能性があるので、ぜひ皆さん考えていきましょうということなんです。


