Program 2:プレゼンテーション解説 2/4
講師紹介
講演:料理のデザイン思考は受け継がれるか
■「京料理のこころみ」で多く使われていたフレーズ(参照:表2)
出現頻度の多いフレーズを料理のデザイン要素とします。評価項目でいうと、1主素材の触感が生かされていること、2主素材の風味が生かされていること、3主素材の旨みが引き出されていること、4主素材の主役感があること。そして価値項目のほうは、5主素材と副素材の相性がよいこと、6しつこくないこと、7バランスの良さ、8日本料理・京料理らしいこと、9品がいいこと、10驚き・インパクトがあること。この10項目がそれぞれ4回以上出ていました。
これは調べたのがあくまでも京料理という範疇ですが、私見では、ジャンルにかかわらず料理全体に共通して重要と思われてることが含まれているような気がします。

■DEMATELアンケート(参照:表3)
先の10項目に関して、今度は料理人さんにDEAMATELアンケートを実施しました。例えば「料理において『しつこくない』ことは、以下のそれぞれの項目にどの程度影響していますか」というような質問に対して3点満点で答えてもらいます。フランス料理人に対しては、日本料理・京料理らしさの代わりにフランス料理らしさとして使用しています。全部網羅できてるわけじゃないんですけど、この範囲の中での結果ということになります。では、結果に行きます。

■結果1:新作料理創出時の日本料理人のデザイン要素影響関係図(参照:図3)
これが2013年当時の日本料理人12人ぐらいの平均値です。横軸、右に行けば行くほど重要。縦軸、上に行けば行くほどほかの項目に影響あり。どこを見るかというと、右上です。右上は影響もあるし重要と思ってるから、この人たちにとってもっとも重要と思われているという解釈になります。左下は重要ではないのかというと、そうではなくて、重要な程度が低いというだけであって先の10項目は全部重要です。
さらに、影響関係も見ることができるんです。矢印は、影響関係を示していて、例えば青いのは1方向なので「日本料理らしい仕上がりになる料理にすれば、自然と触感が生かされている仕上がりになる」という解釈をします。だから、料理人が発想の中で新しい料理を考えるとき、触感が大事と考えなくても、その料理人が日本料理らしくしようと考えれば、自然と触感が生かされてるというのが日本料理人の考え方だということになります。
僕が面白いなと思ったのは、日本料理は触感をあまりいじらないですね。例えばピューレにするとかしますが、フランス料理ほどはしない。だから、そこまで触感は意識していない。けれど、大事だとは思っているというような解釈をするわけです。
これが全体の関係図になります。右上に注目すれば、日本料理らしさ、風味が生かされていること、そして旨みが引き出されていることがとても重要なのが日本料理人の平均であると言えるわけです。

結果2:新作料理創出時のフランス料理人のデザイン要素影響関係図(参照:図4)
フランス料理人2013年時点の8人ほどの平均値は、一番上にフランス料理らしさがありますけど、これの影響がすごい大きい。ということは、日本人として海外の料理でのフランス料理を考えるとき、フランス料理らしさっていうのは自分から出てくるもんではないんではないか、というような解釈もできるんではないかと考えています。ただ、重要という意味でいうと右、風味が生かされてるとか主役感、相性、旨み、バランス、こういうものが重要と思っていて、矢印がピンク色なので双方向ですね。だから、密接に結びついているのが料理人の考え方の平均であるということが言えるんです。これが日本料理人とフランス料理人の2013年時点の結果です。


