Program 3:トークセッション 4/4
講師紹介



川崎 せっかくだから、筒井シェフの料理を山根シェフだったらどうするみたいなことを聞きたいです。
山根 多分彼は酸味をつけたくなかったんだよね。僕は、レモンアンチョビみたいな、でもキャビアがあるか、レモン塩ソースみたいなものを皿にちょっと引くような気がします。それから、カネロニの造形になってること。春巻きもそうなんだけど、僕の考えるふりかもしれないけれど、内包する料理だと思うんです。つまり、香りであるとか味をイカの衣の中に閉じ込める、もしくは春巻きの中に閉じ込めるっていうのが、例えば詰め物パスタもそうなんですけど、これらの料理の中に宇宙を創るということ。だから、プレゼンテーションは悪くなるかもしれませんが、中にキャビアを入れたら勇気ある決断やなと思いますね。それが多分この料理の本来の完成じゃないかな。外にいろいろ置くのはちょっと邪道なんですよ、僕は昭和なんでね。
川崎 そこです。だから、こういう話が今はとても面白くて、さっきの山根シェフの図を見ると、イタリア料理というのがすごい影響を与えてたんですよね。イタリア料理らしさっていうのですかね。それがカネロニというのはこういうもんだというのが強いから、それが表れてるんだと思うんです。そういうのを聞いて、料理を見て、あの図を見るとものすごく面白いんですよっていう話でした、すみません。
門上 山根さん、一時期、巻くとか包むのをすごく研究してはった時期がありましたよ、好きなんですね。何か非常に面白い議論になりました。
馬場さんの「和久傳」には、それぞれの時代に料理長がおられて、このプレゼンテーションの話を相談したときは今と違うプレゼンテーションを考えておられました。「和久傳」には有名な料理がいくつかあって、それがぶれないために言うたら一つの法則をつくられるという、各店の料理長に任すんですけども法則をつけられるみたいな話がありましたが、そこから今日された料理に変わったんですけど、そのあたりの何か意識の変化とかがあればぜひともお願いします。
馬場 他にないものを作るであったり、他とは違った切り口で、違った表現の仕方とか新しい表現の仕方を求めてという、そんなこともあるんです。今回お話をいただいたとき、もともと「和久傳」の鱧の成相焼きは、身を外にして焼くのです。でも、私が今日やりたかった料理は、皮を外にして巻いて、身はレアに仕上げたかったのですけど、そうすると巻き込んだところの皮の火入れとかの難しさがあったりとか、そんなこともあって少し断念したこともあります。逆に今日はモチ米を入れることによって焼きおにぎりのような、御飯物としても使える一品に変化させて、身を外にして巻くという料理を考案したんです。本来鱧の一番のおいしさは、火が通り過ぎない、中はレアで皮だけしっかり火が入ってるっていう状態でこの料理を仕上げたかったのが一番最初の目標でした。そんな感じです。ありがとうございます。
門上 ありがとうございます。最後に山根さんだったらどうされるかみたいなことも話していただき、非常に興味深い発言もありまして、多分皆さんご自身の料理とか、それからご自分が影響を受けられた料理と、それをこう何か考えてみて、マトリックスを頭に浮かべてみるっていうようなこととか、多分いろんなアプローチの仕方を今日は感じていただいたと思います。来年は「つなぐ」というテーマの最終回。今度は次世代に伝えたいという、つないでいきたい料理というテーマで、今回とは反対なんですけどね。また違うアプローチとか考え方とかというふうなものが生まれてくると思いますんで、ぜひともご参加いただきたいなと思います。ということで、今日プレゼンテーションしていただいた3人の方、解説をお願いしました川崎先生、それからご発言いただいたコアメンバーの皆さん、今日は本当にどうもありがとうございました。また来年楽しみにしておりますので、皆さんよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

