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メンバーズ・コンフィデンシャル ランチ&ディナー「天ぷらの宴」料理解説

メンバーズ・コンフィデンシャル ランチ&ディナー「天ぷらの宴」料理解説

最初の車海老二本が、今回の象徴的な導入です。ひとつは、小麦粉の衣で揚げたお馴染みのエビ天。もうひとつは、車海老の殻を焼いて砕いた粉を打ち粉にして小麦粉の衣で揚げています。すると、エビ天の味が激変、車海老の香りがよりエビらしく感じられ、甘味も増して感じるのです。衣を変えただけでも天ぷらの味わいが変わるという実証になっていました。

田中さんは、今回の衣には米粉も多用されています。例えば、太刀魚の場合。ネタに水分が多いと小麦粉の衣はへたり気味になるのですが、粒子の細かい米粉を使うほうがサクッと軽く仕上がるのです。もちろん米粉にはグルテンがありませんから、ネタによっては米粉のほうが効果的ということでした。
米粉の衣で揚げた太刀魚は、割と大振りでも中の身はふっくらと揚がっていました。太刀魚では、打ち粉に車麩を使うことも試しているそうです。

同じく米粉の衣で揚げた松葉ガニの場合。カニミソと身をほぐしたのをオブラートに包みます。打ち粉の代わりに薄いデンプンで詰め物をするような具合です。これも米粉の衣で揚げることで、衣はサクッと揚がり、中の詰め物はしっかり蒸されたようなふっくらとした仕上がりでした。雲丹も同じく、オブラートで包みますが、こちらは小麦粉の衣で揚げてみたり、こういう比較することも、この宴ならではでした。

 

 

 

また、ネタとなる食材とその下拵えなどにも田中さんの研究の成果がみられます。猪は肩ロースで、解凍後に1週間ほど脱水シートに包んで熟成したものを用意。すっぽんは、水分の抜いた煮凝りで、揚げると衣の中で溶けることを狙います。焼いて食すチーズのカチョカバロは、高温で揚げることで表面を焼くのと同じ効果をもたらします。百合根は丸ごと、天ぷらにしてはやや低め150~160℃で15分ほどかけて揚げ、その後余熱で衣の中を仕上げるなどの創意工夫が随所に発揮されていました。

 

 

 

タレは、関西風のだしの効いた天つゆに大根おろし。それに山椒塩が用意されていました。また、今回の宴では、油は「太白胡麻油」を使用。胡麻を生掏りしたフレッシュオイルですから、計16種の天ぷら尽くしでも、すっきりとした食後感でした。

 

 

参加者の感想から

・天ぷらでも、素材をどのように生かせばいいかと、始めから考えることが大事だなと、あらためて思った。

・エビの殻からつくる粉の衣には、田中さんの天ぷらに対する、香りや食感といった目配りが表れていた。

・余熱で仕上げるためには、最初に8割とか9割で揚げるという計算も必要なのだと実感できた。

・根パセリ、カチョカバロチーズといった珍しい食材の天ぷらというのを味わえて楽しかった。

・衣の粉を変えることで、天ぷらの可能性を知った思い。田中さんのこれからの挑戦に期待したい。

 

 

 

 

 

 

関西食文化研究会では、今後も引き続き会員の皆様を対象にさまざまなイベントを実施していきたいと考えていますので、ご期待ください。

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