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第23回定期イベント「料理と温度の関係 Part3」

第23回定期イベント「料理と温度の関係 Part3」

概要

今年度は、料理と温度の関係を多角的に探ってきました。その3回目の最終回です。これまでの考察及び実験や実証を踏まえた料理プレゼンテーションとあわせ、まとめを行ないました。

Program 1:プレゼンテーション+試食

温度をいかに使いこなしているか、3ジャンルの料理でプレゼンテーションしていただきました(レシピは会場で配布)。

1:日本料理:植村 良輔氏
「料理屋植むら」店主

メニュー「飯蛸旨煮ジュレ添え」

・明石海峡の蛸を使っての料理。冒頭に、その下処理や調理の様子をビデオ映像で詳しく説明していただきました。
・加熱に関しては、水温制御の調理器具サーキュレーターを使った低温・長時間の調理です。
・また、植村さんは水と昆布を減圧加熱調理器ガストロバックに入れて、だしを取る手法を公開されました。

2:イタリア料理:山根 大助氏
「ポンテベッキオ」オーナーシェフ

メニュー「バターの中でじっくりと加熱した石黒農園のホロホロ鳥のフリカッセ 菜の花添え」

・山根さんも低温加熱で、温度をコントロールすることが大事であるというプレゼンテーションです。
・とくに、調理の温度だけでなく、お客さんが口にする食べるときの温度にも注意を払うべしと提議。
・真空調理の場合、油脂(今回はバター)を使うことで、肉がより柔らかくなるという実証でもありました。

3:中国料理:吉岡 勝美氏
「辻調理師専門学校」中国料理技術顧問

メニュー「海老とクルミの辛み炒め広東スタイル」

・中国料理で加熱といえば“炒める”イメージがあるけれど、多種の手法があることを実証。そのひとつ“塩爆”という高温の強い火での調理を披露。
・プレゼンテーションでは、吉岡さんの考える“料理のデザイン”に基づいた組み立てかたを解説しながら調理。
・中国料理では、三割が作り方、七割が火という教えがあり、いかに温度をコントロールしながら調理しているかを話していただきました。

Program 2:スタディ

講義:川崎 寛也氏
農学博士

プレゼンテーションされた各料理の科学的な検証とともに、料理と温度の関係をあらためて整理していただきました。

・実際には見えない温度を料理人はいかにコントロールしているか、その実証として、先の各料理プレゼンテーションがあることを解説。
・「どうやって美味しい料理を作るか」が技術論とすれば、その先に「どうやって新しい皿を考えるか」というデザインすることの重要性を提議。
・素材×加熱媒体×温度×時間という視点から、調理技術を分解すれば、新しい料理が再構築できる。そうしたデザインの具体的な方向を示唆していただきました。

Program 3:ディスカッション

上記出演者にコアメンバーの山口 浩氏(「神戸北野ホテル」総支配人・総料理長)が加わり、料理と温度の関係についてのまとめの討議と、質疑応答を行っていただきました。
進行:門上 武司

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